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06/16 (火) 10:13更新

乳がん手術後のブラジャー選び ~術後すぐから日常生活まで 時期別のポイント~

Choosing a Bra After Breast Cancer Surgery - Key Points by Stage: From Immediately After Surgery to Daily Life-
医師  横田 小百合
医師。専門分野は緩和ケア。がん治療認定医、総合内科専門医、日本緩和医療学会専門医・指導医。現在は都内病院の院内緩和ケアチームの症状緩和担当として日々患者さんと接している。

乳がん用ブラジャーの正しい選び方【時期別】

この章では、時期別・目的別のブラジャー選びのヒントをお伝えします。
乳がん手術後のデリケートな時期(~1か月)から、少しずつ活動的になる時期(1か月~3か月)、そしておしゃれも楽しみたいと願う時期(3か月~)まで、体の状態や目的に合わせたブラジャー選びには、いくつかのポイントがあります。

術直後(~1か月)
縫い目・締め付け・素材に注意

Immediately after surgery (up to 1 month):
 Be careful with stitches, tight clothing, and fabric

手術から間もないこの時期は、傷の保護が最優先です。

心身ともにデリケートな時期だからこそ、下着選びは慎重に行い、少しでも快適に過ごせる工夫をしましょう。

 綿やシルク素材のノンワイヤーで前開きブラジャー 

綿やシルク素材のノンワイヤーで前開きブラジャーがおすすめです。

ワイヤーが入っていない「ノンワイヤータイプ」のブラジャーで、肌に触れる素材は、綿やシルクなど通気性と柔らかさに優れたものを選びましょう。ナイロンやポリエステルなど化学繊維は刺激になりやすいため、避けた方が無難です。

また、腕を上げるのがつらい方にとっては前開きタイプがおすすめです。ボタンやファスナーで簡単に着脱でき、無理のない動作で日々のケアを行えます。

 肌トラブルを避けるためのタグ・縫い目対策 

傷口周辺の肌は非常に敏感です。ブラジャーの縫い目やタグが当たるだけで、痛みやかゆみ、炎症の原因になることもあります。

できるだけ縫い目が外側にある「外縫い」タイプ、あるいは縫い目そのものが極力少ないシームレスタイプを選ぶとよいでしょう。

また、洗濯タグが肌に当たらないように工夫された製品や、取り外せる仕様のものもおすすめです。

この時期は、「痛みや不快感のない時間」をどう確保するかが大切です。前述しましたポイントを参考にしていただけますと、少しでも快適で心地よい術後の生活に繋げていただくことができるかもしれません。

 ~医師からのお役立ちコメント~

  • 乳がん手術後の創保護テープは、衣服などが触れることによる創部への刺激や乾燥を防ぎ、ケロイド状に皮膚の盛り上がりや、かゆみを予防する効果が期待できます。3~6ヶ月程度保護することが勧められることが多いですが、医師の指示に従い、使用しましょう。

  • 術後放射線治療を行う場合は、放射線照射部位にテープを貼ることはできません。放射線治療終了後の皮膚の状態により、テープを貼るのを再開できるかどうか、医師や看護師に相談してから使用しましょう。

 

回復期(1か月~3か月)
傷の状態に合わせて選ぶ

Recovery phase (1–3 months): 
Choose based on the condition of the wound

手術から1か月を過ぎ、少しずつ動けるようになると、これまで気にならなかった「胸の左右差」や「見た目」に意識が向きはじめます。ブラジャー選びも、その時の気持ちと身体に合わせた柔軟な対応が必要です。

この時期は、機能性はもちろんのこと、見た目の美しさやファッション性も考慮したブラジャー選びに挑戦してみましょう。

 パッド用ポケット付きで形を整えやすいブラジャー 

多くの専用ブラジャーには、パッドを入れるためのポケットが付いています。これは乳房の左右差を自然にカバーできるだけでなく、服を着たときのシルエットを整える効果もあります。パッドは取り外し可能なタイプが多く、ご自身の状態や好みに合わせて調整できます。

特に胸のふくらみが気になる方や、外出時の服装を意識したい方には心強いアイテムです。「見た目」が少し整うだけで、気持ちが前向きになることもあります。

 肩紐の太さ・胸元のデザインにも注目 

ブラジャーのフィット感も大切です。肩紐が細すぎると食い込みやすく、肩や首の負担にもなります。太めで柔らかな素材のストラップは、安定感がありながらも肌に優しいため、安心して着用できます。

また、胸元のデザインにも注目してみてください。開きすぎたデザインはパッドや胸元が見えやすくなり、外出時の不安要素になります。レースや布が適度にカバーしてくれるタイプを選ぶと、日常生活でのストレス軽減に繋がります。

 ~医師からのお役立ちコメント~

  • 術後の乳房の形の変化が気になるときには、パッドなどで調整する方法もありますが、創部の擦れやムレが気になるということがあるかもしれません。その場合には、下着は着心地の良い素材のものを選択し、アウターを前身頃に布地をたっぷり使用したフレアーなデザインのブラウスなど選ぶと良いでしょう。
    また、ニットやカットソー素材は身体のラインが出やすいので、しっかりした素材のジャケットやジレ(ベスト)などを羽織ることで、カバーすることができます。

 

日常生活再開後(3か月~)
見た目も重視したおしゃれ対応

After returning to daily life (3 months or more): 
Stylish solutions that prioritize appearance

術後のケアが落ち着き、少しずつ日常生活が戻ってくると、下着にも「おしゃれ」や「気分の上がるデザイン」を求めるようになります。
外見を整えることは、「自分らしさ」や「前向きな気持ち」を保つ大切な要素です。

 普段のブラジャーとの違いと自然に見せる工夫 

専用ブラジャーは医療用といえども、見た目が大きく違うわけではありません。ただし、自然に見せるためには細やかな工夫が施されています。

-専用ブラジャーの工夫-

  • 左右のバランスを整えるためのパッド

  • 肌色に近い色味

  • ラインを美しく見せるカッティング など

普段使いしやすいデザインも増えています。また、服に響きにくい素材や縫製になっているため、日常生活に違和感なく溶け込めます。

以上のような専用ブラジャーの工夫を踏まえ、次の章では、具体的なブラジャー選びのポイントを解説していきます。

 ~医師からのお役立ちコメント~

  • 術後の皮膚トラブルを予防するために、スキンケアは重要です。術前術後に抗がん剤治療を行う方は特に、薬の副作用によって皮膚にトラブルを起こす可能性が高くなるため、スキンケアを心がけると良いでしょう。
    予防的なスキンケアは、香りや使用感の合うお好みの保湿剤で構いません。治療による皮膚トラブルが起きてしまった場合には、医師に相談して対応方法を確認してください。

 

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ブラジャー選びに迷ったときのチェックポイント

医師  横田 小百合=監修
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