膵臓がんは一般的に発見された時点で余命1年と言われることが多いガンです。その理由としては膵臓が胃や十二指腸などの裏にある臓器のため、エコーなどの検査で見えにくいためガンが見つかりにくく、発見された時点で既に進行してしまっていることが多いことなどが挙げられます。
そのほか、膵臓自体が1cm程度の薄い臓器であり、ガンが少しでも成長するとすぐに膵臓をはみ出して周りの神経や血管、臓器などに及んでしまうため、進行自体が早いことも挙げられます。膵臓がんと診断された時点で手術ができないと言われた場合、余命は半年から1年、悪い方では3か月以内と同時に告知されることが多いです。
診断された段階では症状がない方、軽い腹痛だけの方もいますが、ガンの進行に伴い徐々に痛みや体重減少など様々な症状が現れてきます。ガンが膵臓のどの場所にできるかにもよりますが、頭側、腸管に近いほうにできた場合は胆管(肝臓からの消化液を流す管)をふさぐこともあり、内視鏡で人工の管を入れて消化液の通り道を作る治療が必要になります。
また、先に挙げたように胃や十二指腸の近くにあるため、ガンが進行し腸管などをふさぐと、内視鏡で腸に金属製の筒を入れる治療や、胃と腸をつないで食物の通り道を作る手術(バイパス手術)が必要となることもあります。
また、膵臓は体の中で唯一血糖を下げるホルモンを出す臓器なので、ガンにより膵臓の働きが不十分になってくると糖尿病を発症する、また、元々糖尿病のある方は症状が悪化することもあります。