脳の血管が障害されることを「脳血管障害」と呼び、これによって起こる色々な病気を、まとめて「脳卒中」と言います。これらは血管が詰まるタイプ(脳梗塞)と、血管が破れるタイプ(脳出血、くも膜下出血)とに大きく分けられます。どのタイプであるにしても、脳にダメージを与えるという点では共通しています。「脳卒中」とはとても広い病名で、ダメージを受けた脳の場所や範囲、程度によって、症状や経過にもピンからキリまでものすごく幅があり、即死から無症状まで様々です。
脳卒中の発症により命が危ない、というのは、生命維持ができないほどの大きなダメージを脳が負ってしまった、という状況です。そしてそれらは、発症直後から数日以内で急激に進むことが多く、「さっきまで何ともなかったのに、とつぜん命の危険を告げられた」という事態に陥ることとなります。
脳卒中に対する治療法は存在しますが、全ての方に治療が可能というわけではありません。治療ができない(=適応外)と判断された場合、急速に迫りくる生命の危機と、直ちに向き合わなければならなくなります。