肝臓がんは、はじめはあまり症状が出ず、ある程度進んだ段階で症状が出てくることが多い病気です。その理由としては、肝臓は一部の働きが悪くなっても、残りの正常組織である程度機能しなくなった部分の働きを補うためです。そのため、肝臓の働きがある一定レベルまで悪くならないと症状が出にくいのです。
ガン自体が小さく数が少なく、肝臓の機能がある程度残っている場合は、ガンを針で刺して焼いてしまう治療や、ガンを栄養する血管を詰めたり、抗がん剤を流したりといった血管内治療、外科手術を行えます。ただし、肝臓がんが進行していた場合や、もともと肝臓の機能が落ちていた場合などはこれらの治療はできなくなります。肝臓は腎臓など他の臓器と違い、なくては生きていくことができない重要な臓器です。一時的であればともかく、長期的に医療機器などで肝臓の代わりをすることはできません。そのため、ガンとその周囲の組織を無くした後でも、ある程度は肝臓の機能が残る状態でないと治療はできないのです。
このように早めに見つかった肝臓がんに関しては治療法がありますが、肝臓がんの初期では自覚症状が少ない場合も多く、見つかった時には肝臓の大部分がガンに置き換わってしまっている、もしくは他の臓器に転移してしまっていることも多くあります。その場合は抗がん剤などの薬で治療を行うこともありますが、薬にも副作用があり、状態が悪いと治療そのものに耐えることができない場合もあります。その場合はそれぞれ出てくる症状に対する治療を行っていくことになります。