前立腺がんは進行が比較的遅いがんであり、ステージⅣの末期がんにおいても5年生存率は30%を超えています。継続的に治療を続けていくことで余命を長く保つことができるケースもあります。
前立腺がんの治療には、手術療法、放射線療法、内分泌療法があります。
手術療法と放射線療法は根治治療であり、転移のある症例や、前立腺に隣接する臓器へ広がる進行がんの症例など、根治が難しい症例に対しては内分泌療法が適応となります。
内分泌療法は、手術もしくは薬剤で男性ホルモンを低下させて去勢状態にする治療です。がんの勢いが強く、進行に伴い内分泌療法が効かなくなると、「去勢抵抗性前立腺がん」という病名となります。この時点で内分泌療法に加えて、抗がん剤治療も選択肢に加わりますが、完治は難しく、いかにがんの勢いや進行を抑えるかの治療に移行します。がんが進行すると、がんによる全身症状、がんの転移や広がりによる様々な症状が出現するため、そちらに対して処置や投薬を行います。