胃がんは、胃以外の臓器へ転移がある場合には、完治を見込むことが難しい状態となります。胃がんは、病気の進行するスピードは比較的速いことが多く、半年~1年くらいで亡くなってしまう方が多くおられます。
年齢が若い方や、高齢ではあるものの体力がある方、重大な内科の合併症がない方には抗がん剤治療を行うことができます。ただし、現代の医療では、胃がんに対して劇的な効果をもつ抗がん剤は存在しません。そのため、抗がん剤治療を行う目的は、病気の進行を抑え、少しでも長く生きることを目指すもので、完全に治すことは難しいです。
抗がん剤による副作用が強く、身体に相当な負担がかかる場合には、無理をして続ける必要はありません。本人の体力やご希望、副作用に合わせて、主治医とよく相談したうえで、無理のない治療法やお薬を選びましょう。
抗がん剤治療中においても、腹痛があったり食事がうまくとれなかったりします。このような症状に対しては、お薬での治療や放射線治療などを行うことにより、つらさを和らげることが可能です。このように、病気を治すことを目的とせず、出現する様々な苦痛の軽減を目的として行う治療を緩和ケアといいます。抗がん剤治療と同時に緩和ケアを行うことが非常に大切です。それぞれの症状については気兼ねなく主治医に相談するようにしましょう。