食道がんは食道を裏打ちしている粘膜からできるガンです。初めは症状が現れにくいのですが、ガンが大きくなっていくと徐々に食道をふさいでいくため、食物が通らなくなってきます。そのため、物を飲み込んだ時の違和感や詰まった感じなどの症状が出現、進行するとガンで食道をふさいできてしまうため、細かい食べ物、液体と徐々に食物が通らなくなり、最終的には何も通らなくなってしまいます。その場合は内視鏡で金属製の筒を入れて食物の通り道を作る処置なども必要になってきます。
また、食道の大部分が胸部の後ろ側、肺や血管の近くにあるため、ガンが回りの臓器まで及ぶと胸痛や咳、かすれ声など様々な症状を起こします。
ガンの場合、できもの自体がもろくなっているため、普通の粘膜に比べると出血しやすい状態となっています。そのため、ガンのできものから出血し、吐血などが起こる可能性もあります。吐血が起こった場合は状況に応じて内視鏡での止血処置等を行いますが、ガンはできもの自体がもろいため、血を止めようとしても止血処置の影響で処置を行った周辺の組織が崩れてどんどん出血したり、一旦止まっても出血を繰り返すなどが起こることがあります。