準備しておくと良い事とモノ
〜自宅・病院・施設、療養先別の準備のすすめ〜
療養先が決まった時、具体的に何を準備し、どのようなサービスの手配を行う必要があるのでしょうか。各療養先別にご紹介していきます。
<施設・病院>
1.準備すると良い事・モノ
• 使い慣れた寝具類
(睡眠は休息にとって非常に重要です。環境が変わると寝付けなくなることがあるため、普段愛用している寝具類があれば持参するのもおすすめです。)
• 使い慣れたモノ:お気に入りの椅子などの家具類や飾りもの、小物類など。
(ご本人が自宅で愛用しているモノを置く事で安心感に繫がり精神的ケアにも有効です。)
• 四季を感じられるようなものを飾る
(長期化すると、季節感や時間の感覚も鈍くなり、心が落ち込みやすくなることもあります。四季を感じられるような花など明るい彩りのものを取り入れることは心の気分転換に繋がります。花は感染管理上、禁止している所もある為、その場合は造花などを活用するのもおすすめです。)
• 保温マグカップやストロー付きコップ
(体温調整が難しいときや気分転換をしたい時に温かい飲み物があると身体が温まり、リラックスすることができます。ストロー付きは体調が優れず起き上がりが困難なときなどに重宝します。)
・服飾品:帽子、ウィッグ、バンダナ、スカーフ、カーディガンなど。女性の場合はメイク用品など。
(移動時や面会時、すぐに着用することができるので楽に身だしなみを整えることができます。気分転換にも繫がり、ご本人の身体の変化に対する不安もカバーできます。特に、病院の場合は検査等での移動もあるため、寒さ対策にすぐ使用できる前開きの羽織ものが一つあると便利です。)
2.家族側が準備をしておくと良いこと
施設と病院ではルールが違うため、場所によって制限されるモノもあります。感染リスク上禁止していることや、安全上推奨していないモノまで細かく決められている場合があります。事前に、入居先に確認し了承を得てから準備を行う様にしましょう。
• 自宅とは違う環境下での集団生活となります。生活されるご本人が慣れるまではとくにストレスが強くかかります。できるだけ、リラックスして身体への負担が少なく生活が出来るような環境作りを一緒に行いましょう。
周囲の方への配慮はもちろんのこと、定められたスペース内でいかにその人らしく、生活ができるかがポイントです。その時々の感情や状況で、欲するものが違うこともあることでしょう。
ご本人と相談しながら、どんな環境を作りたいか、どうしたら快適に過ごせそうかを話し合う機会を設けることもおすすめです。
<自宅>
1.準備すると良い事・モノ
• リクライニングベッド
(通常の寝具でも問題ないですが、起き上がりが難しいときや介助が必要なとき、リクライニングベッドがあると双方の身体の負担を減らすことができます。
ベッドに関しては基本的には要介護2以上の認定がある場合には介護保険を活用することが可能で、その場合にはレンタルや購入援助を安価に行ってもらうことができます。)
• お薬箱、お薬管理帳
(自宅で療養する場合、薬の管理は基本的にご本人や家族が行います。飲み忘れ防止に効果的です。痛み止めなどの頓服を使用する際は時間の管理も必要となるため、都度記録しておくことで誰でもすぐに対応することができます。)
• 住宅環境の改修
各場所に手すりやスロープなどの設置を行い可能であれば、バリアフリーの環境を作ることをおすすめします。体力が低下している状況が想定されるため、今までは感じなかった負担が強くかかることがあります。
転倒防止の為にも一度住宅内全体を見直すことをおすすめします。こちらもベッドと同様、要件を満たせば介護保険や市区町村の補助で改修の支援を受けることができます。
2.家族側が準備をしておくと良いこと
可能であれば退院前までに試験外泊を行う
ご本人や家族が自宅療養のイメージをつけることは必要なものを準備するためにも効果的です。実際に生活をしてみないと分からないことや気付かなかったことが出てきます。
具体的なイメージを掴むためにもまずは外泊から始め、必要となるものをその都度準備していくことをおすすめします。
• 介護保険の申請・認定を受ける
通常は65歳以上の認定を受けた方がサービスの対象となりますが40歳以上の末期がんと診断された方も対象となります。在宅療養で必要となる訪問診療や介護物品などの支援を受けることができる為、事前に認定を受けておきましょう。
- 最後に -
療養先により準備することは様々です。ご本人にとってはどの環境においてもその場所が生活の基盤となります。
ご本人の生が続く限り、最後までその人らしく過ごすことができるように、できるだけご本人の意見を尊重しながら、各施設やサービスの方と連携を図り全員がチームとなって支えていきましょう。