原発不明がんとは、体の中に腫瘍(しゅよう)ができており、がん細胞が検出されているが、そのがんがどの臓器から発生したのか(原発巣;げんぱつそう)がわからない場合に診断される病気です。よって、原発不明がんの患者集団は一定ではなく、ひとりひとりが異なるタイプの病気を持っていることになります。
病変の分布やがん細胞の特徴などから原発巣をある程度絞ることができればその臓器のがんに準じた治療を行います。がんが全身に転移している患者さんが多く、ほとんどの患者さんでは手術の適応がないので抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤を主体にして治療を行います。
患者さん毎に病状や辿る経過は全く異なります。一般的には予後が不良であることが多く、診断から1年以内に亡くなってしまう患者さんが多くいらっしゃいます。
がんが転移している臓器によって症状は異なります。ご自身の病気がどの臓器に転移しているのか、組織型(そしきがた)はどの臓器に似ているのか、どのような治療選択肢があるのかなど、がんに関する情報は主治医からしっかり聞いておきましょう。