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06/16 (火) 10:13更新

乳がん手術後のブラジャー選び ~術後すぐから日常生活まで 時期別のポイント~

Choosing a Bra After Breast Cancer Surgery - Key Points by Stage: From Immediately After Surgery to Daily Life-
医師  横田 小百合
医師。専門分野は緩和ケア。がん治療認定医、総合内科専門医、日本緩和医療学会専門医・指導医。現在は都内病院の院内緩和ケアチームの症状緩和担当として日々患者さんと接している。

ブラジャー選びに迷ったときのチェックポイント

ブラジャー選びは、見た目だけでなく「快適さ」や「安心感」が大切なポイントとなります。胸の締めつけが少なく、着け心地がやさしいものを選ぶことで、日常がほんの少し楽になり、穏やかに過ごす手助けとなります。この章では、信頼できる商品選びのコツや購入方法、試着の重要性など、迷ったときのチェックポイントをご紹介します。

信頼できるブランド
医療機関の提案商品を活用

Take advantage of products recommended
 by trusted brands and medical institutions

ブラジャー選びに迷ったとき、最も安心できるのが「信頼できるブランド」や「医療機関が推奨する下着」を選ぶことです。

特に、乳がんや体調の変化をきっかけに下着を見直す方が増えており、医療機関と連携して作られた製品は、肌へのやさしさや着脱のしやすさなど、実際の声を反映した設計が特徴です。

有名下着メーカーの中には、医療従事者や患者の声を取り入れて開発された「やさしい着け心地」のシリーズを展開しているブランドもあります。また、看護師や下着フィッターが常駐し、丁寧に身体の状態に合った提案をしてくれる専門店もあります。

乳がん用ブラジャー
おすすめブランドの活用

Recommended Brands of Bras for Breast Cancer Patients

ブラジャーを購入する際は、店舗購入やネット通販等、ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、無理のない方法を選ぶことが大切です。

訪問サポートサービスやオンライン相談を行っているブランドもありますので、下記にて一部ご紹介します。

・ワコール リマンマ
(https://www.wacoal.jp/remamma/....)
全国5カ所に専用相談ルームがあり、近くに店舗がない場合は無料相談会や出張相談会も実施しています。自宅からパソコンやスマートフォンでアドバイザーに直接相談できるオンラインサービスも提供しています。

・ベーテル・プラス
https://anita.batelplus.jp/
ベーテル・プラスの「アニタ(Anita)」は、乳がん手術後の女性のQOL向上を目的としたブレストケア製品ブランドです。乳房シリコンパッドや初期ケアパッド、ケアブラジャーなどを展開し、術後の身体的・心理的負担の軽減と、快適で自然な日常生活のサポートを目指しています。

・セシール
(https://www.cecile.co.jp/featu....)
乳がんを経験された方に向けたブラ(ブレストケアブラ)を展開しており、肌へのやさしさ、着脱のしやすさ、見た目への工夫を施した専用品を提供しています。

・ユニクロ
https://www.uniqlo.com/jp/ja/
乳がん患者さん専用の商品はありませんが、エアリズム前あきブラやワイヤレスブラなどは乳がん術後や放射線治療中の患者さんからの高評価が多く寄せられています。専用品と同様に乳がん術後のブラとして使用することができます。

乳がん用ブラジャー選びのコツ

Tips for Choosing a Bra for Breast Cancer

最近では、色やデザインのバリエーションが豊富な専用ブラジャーも増えてきました。レースをあしらった華やかなデザインや、明るいカラー展開のものも多く、気分や様々なシーンに合わせて選ぶことができます。

-専用ブラジャー選びのポイント-

  • サイズが合っているかどうか

  • 長時間つけていても苦しくないかどうか

  • 脱ぎ着がしやすいかどうか

  • 素材が肌にあうものかどうか

上記のようなポイントを踏まえて最適な一枚をお選びいただければと思います。

試着や返品が可能かどうかを確認

Check whether you can try on items or return them

体調や体型が変化しているときほど、下着選びにおいて「試着できるか」「返品可能か」はとても重要なチェックポイントになります。

特に、術後や療養中の方は、肌の敏感さや可動域の制限など、通常とは異なる着け心地が求められるため、試着の可否が選ぶ際の安心感に直結します。

最近では、衛生管理を徹底した上で「試着可」や「返品OK」を掲げる下着ブランドや通販サイトも増えています。初めて利用するブランドやサイズが不安な場合は、返品対応の有無を事前に確認することで、購入後のストレスを減らすことができます。

医療系下着の場合、返品不可のケースもあるため、注意が必要です。

また、試着せずに購入する場合は、「口コミ」「使用レビュー」「着用写真」なども参考にしましょう。

自分と同じ年代や体型の人の感想は、選ぶ際の大きな手がかりになります。

 

乳がん用ブラジャーの保険適用や購入費用助成

専用の乳がん用ブラジャーは医療用品としての側面もあり、一般の下着とは異なる工夫がほどこされています。費用や購入方法、また公的な補助や保険の適用について知っておくことで、負担軽減に繋がります。

民間保険の適用

Coverage under private insurance

一部のがん保険では、診断給付金や治療給付金を「自由に使える一時金」として受け取れるため、その給付金を補整下着の購入費用に充てることが可能です。
ご自身が加入している保険会社に問い合わせて、対象となるか確認しておくと安心です。 

自治体の助成金や補助制度

Local government grants and subsidy programs

乳がん手術後の補整下着や人工乳房などに対し、自治体によっては購入費の一部を助成する制度があります。たとえば、東京都北区では、乳房補整具などの購入に対して10万円までの補助金が出る制度が設けられています。(令和7年5月現在)

こうした制度を利用するには、医療機関の診断書や領収書の提出が必要になることが多く、また申請の期限が設けられていることもあります。

助成を受けたい場合は、お住まいの自治体の「福祉課」「健康推進課」が主な窓口となります。また、がん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」窓口では、他にも利用できる支援制度の情報や、心のケアを含めたサポートも受けられることがあります。

ぜひ一度お住まいの自治体や「がん相談支援センター」にお問合せすることをおすすめします。 

 

まとめ

術後の身体の変化への戸惑いと向き合いながらも「女性としての自分」を大切にしたい、そんな想いでこの記事にたどり着かれた方もおられることと思います。

肌に優しい素材、身体を締め付けすぎない工夫、着脱のしやすさ、そして心が華やぐデザイン。これまでお伝えしてきた情報が、そんなあなたの具体的なお悩みや疑問を少しでも解消し、「試してみようかな」という小さなきっかけとなりましたら幸いです。

 

【参考文献】

日本乳癌学会

おしえて乳がんのこと 乳がん手術後の下着

国立がん研究センター乳房切除後の下着の選び方

静岡県立静岡がんセンター

ワコール リマンマ

北区 がん患者のウィッグ等購入費助成事業

 

医師  横田 小百合=監修
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