大腸がんステージⅣの診断後に知りたいこと
放射線治療
Radiation therapy
ステージⅣの大腸がんで行われる放射線治療は、がんが転移したことによって生じる、様々なつらい症状を和らげることを目的とした「緩和照射」が中心となります。
放射線を照射することでがん細胞を減らし、骨転移による痛みの緩和、脳転移による症状の緩和や進行を遅らせる効果、原発巣(大腸のがん)や転移巣から出血が続いている場合は止血する効果、肺やその周辺のリンパ節に転移した際の気道や血管の圧迫による症状の緩和を目的として行われます。
生活の質(QOL)を保つための緩和ケア
緩和ケアと聞くと、「積極的な治療ができなくなってから始めるもの」と考える方は多いのではないでしょうか?現在の緩和ケアは、痛みやだるさといった体の辛さだけではなく、不安や落ち込みといった心の辛さも和らげ、「自分らしい生活を守るために、がん治療と並行して進める、もう一つの重要な治療」と考えられています。
海外の研究では、抗がん剤治療と並行して早期から緩和ケアを受けた患者さんの方が、生活の質(QOL)が高いだけでなく、結果的に生存期間も長かったという報告もあり、世界保健機関(WHO)も、緩和ケアは「診断されてから」早期に始めるべきだと強く推奨しています。
身体的症状のケア
Care for physical symptoms
がんによる身体的なつらさで、最も代表的な症状が「痛み」と「だるさ(倦怠感)」と言われています。
痛みに対しては「医療用麻薬(オピオイド)」が治療の基本となり、飲み薬、張り薬、注射など様々な形状のものがあり、患者さんの状態や痛みの強さや種類に合わせて適切な形状の薬が選ばれます。骨への転移による痛みには放射線治療が有効な場合もあります。
だるさは非常に多くの患者さんが経験する症状ですが、貧血や栄養不足、精神的なストレスなど原因は様々です。それぞれの原因に応じて鉄剤の投与、栄養指導、休息の取り方の工夫など、適切な対策をしていきます。
どんな些細なことでも、「つらい」と感じたらすぐに医療スタッフに伝えることが、生活の質(QOL)を高く保つために大切です。
心のケア
Emotional care
がんと診断され、先の見えない治療と向き合う中で、不安になり、気持ちが落ち込み、眠れなくなるということは、誰にでも起こりうるごく自然な心の反応です。心のつらさは目に見えないため一人で抱え込みやすいですが、誰かに相談することは、自分自身を大切にするための重要な治療の一つです。専門家の力を借りることで気持ちが整理され、穏やかな時間を取り戻すきっかけにもなりますので、身体的な症状のケアと同じように、心のケアもとても重要です。
あなたを支える専門家や窓口はたくさんありますので、積極的に活用していきましょう。
主治医、看護師、薬剤師
最も身近な相談相手です。まずはあなたの気持ちを話してみてください。
【こんな時に相談】
• 「痛みが不安で眠れない」
• 「治療の副作用で気分が落ち込む」
• 「家族に心配をかけたくなくて、本当の気持ちを話せない」
精神腫瘍科
がん患者さんとご家族の心のケアを専門とする診療科です。精神科医や臨床心理士が、カウンセリングや必要に応じた薬の処方を通じて、心の負担を和らげる手助けをしてくれます。
【こんな時に相談】
• 「理由もなく涙が出る、何もやる気が起きない状態が続いている」
• 「夜中に目が覚めてしまい、がんのことが頭から離れない」
• 「カウンセリングや、必要であれば薬の力を借りてでも気持ちを楽にしたい」
がん相談支援センター
各がん診療連携拠点病院に設置されており、療養生活全般の「よろず相談窓口」です。心理的な悩みだけでなく、仕事やお金のことなど、生活に直結する問題も一緒に整理してくれます。
【こんな時に相談】
• 「今後の生活を考えると、不安で押しつぶされそうになる」
• 「治療費のことが心配で頭から離れない」
• 「気持ちの整理がつかず、誰に何を相談したらいいかすら分からない」
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