大腸がん末期に必要な緩和ケアとご家族の支え
「末期の大腸がん」と診断されたとき、言葉にならない不安や恐怖が襲い、痛みやだるさ、日常生活の制約が増していく中で「治療の選択肢は残されているのか」「どこまで自分らしい時間を過ごすことができるのか」など、多くの方がこのような不安や悩みを抱くのではないでしょうか。
本記事では、末期の大腸がん患者さんとご家族が直面しやすい悩みや疑問に寄り添いながら、現状の症状や予想される経過、そして「残された時間をどう過ごしていくのか」という視点から、緩和ケアや利用できる公的制度、最先端治療の可能性に至るまで幅広く解説します。
「限られた時間」ではなく、「まだできること」「これからも大切にしたいこと」に焦点を当て、この記事を読まれた方の不安が和らぎ、少しでも穏やかな日々を送るための力となれましたら幸いです。
‐もくじ‐
末期の大腸がんとは
「末期の大腸がん」とは、医学的にがんが全身に広がり、がんを完全に取り除く「根治」を目指すことが難しい状態を指します。
一般的に、がんの進行によって様々な治療を尽くしても効果が得られなくなり、積極的ながん治療(がんを小さくしたり、進行を止めたりする治療)が困難な状態を言い、末期の大腸がんでは「症状緩和」や「QOL(生活の質)の維持」、「緩和ケア」「対症療法」が主な治療となってきます。
末期の大腸がんで現れる主な症状
末期の大腸がんでは、がんが進行、転移した特定の部位に対する症状と、がんが体全体に影響を及ぼしQOL(生活の質)を著しく低下させる全身的な症状が現れます。
ここでは特定の部位に対する症状として「痛み・腹水・腸閉塞(イレウス)」、全身的な症状として「倦怠感・食欲不振・体重減少・眠気」について説明します。
痛み・腹水・腸閉塞(イレウス)
pain, ascites, and intestinal obstruction (ileus)
痛み
がんが骨や神経に広がり、臓器を圧迫することで痛みが生じます。
持続的な鈍い痛みや、突き刺すような鋭い痛みなど、痛みの症状は様々です。腹水
腹膜播種(※1)が原因で、お腹に水が溜まることでお腹が張り苦しくなる、食事がとれなくなる、息苦しさを感じるといった症状が現れます。腸閉塞(イレウス)
がんが腸管を塞いでしまい、便やガスが通過できなくなることで、激しい腹痛や吐き気・嘔吐、お腹の張りといった症状が現れます。
※1:腹膜播種
お腹の中にがん細胞が種のように散らばって広がる状態のことをいいます。
倦怠感・食欲不振・
体重減少・眠気
fatigue, loss of appetite, weight loss, and drowsiness
がん細胞が出す物質によって体内の代謝に異常が生じる「がん悪液質(あくえきしつ)」の影響で、十分な休息をとっても倦怠感が抜けず、無理に食べようとしても体が受け付けないという悪循環に陥り、意図しない体重減少という症状が現れます。
その結果、意識を保ち続けるのが難しくなり眠気、いわゆる傾眠傾向(※2)を認めることもあります。
※2:傾眠傾向
本格的に眠り込んでしまっているわけではなく、その一歩手前でうつらうつらとしている軽い意識障害の状態を指し、刺激を受ければ容易に覚醒しますが、そのままにするとまた眠ってしまう状態をいいます。
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治療法の選択肢

