ステージ別大腸がんの治療
「大腸がん」と告げられた瞬間、頭の中は真っ白に…多くの方がそんな感覚を覚え、「これからどんな治療を受けるのか」「副作用や生活への影響はどうなのか」など、治療に関する疑問や不安は尽きず、先の見えない不安を抱えるのではないでしょうか。
本記事では、そうした大腸がんの治療にまつわる不安や疑問に寄り添いながら、各ステージでどのような治療が行われるのか、具体的な治療の内容をまとめました。
この記事を通し、ご本人とご家族の方が納得のできる治療を受ける為の一助となれましたら幸いです。
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標準的な治療の流れと選択肢
大腸がんの治療は、ステージによって標準治療が大きく異なります。
ステージ0の早期がんからステージⅣの進行がん、そして再発した場合まで、それぞれの段階でどのような治療が行われるのか、具体的な治療法をわかりやすく解説していきます。
ステージ0〜I:内視鏡で治せるがんと手術が必要ながん
大腸がんのステージ0~Ⅰではリンパ節への転移はありません。がんの浸潤が固有筋層には及んでいない場合は早期大腸がんと言われますが、固有筋層に到達した一部のステージⅠは進行大腸がんと呼ばれるようになります。この段階の治療方針は、がんがどれくらい深く潜っているか(深達度)によって大きく二つに分かれます。
【内視鏡治療の対象となるがん】
がんが粘膜内にとどまっているステージ0や、粘膜の下の層(粘膜下層)にわずかに(1mm未満)潜り込んでいるだけのステージIの一部は、お腹を切らずに内視鏡でがんを取り除く「内視鏡治療」で根治を目指せます。
【外科手術の対象となるがん】
一方、同じステージIでも、がんが粘膜下層に深く(1mm以上)潜り込んでいる場合や、さらにその下の筋肉の層(固有筋層)まで達している場合は、内視鏡治療だけではがんを取り残すリスクや、リンパ節に転移している可能性が出てきます。そのため、がんの周囲の腸管とリンパ節を一緒に切除する「外科手術」が標準治療となります。
ただし、この深達度の事前診断は非常に難しい場合があります。そのため、まずは内視鏡治療を行い、切除した組織を顕微鏡で詳しく調べた(病理検査)結果、「やはり手術が必要」と判断され、追加で外科手術を行うという二段階の治療方針がとられることもあります。
内視鏡治療は、肛門から大腸カメラ(内視鏡)を入れ、モニターを見ながらがんを直接、各種の処置具を用いて切除します。がんの大きさや形、がんの深さ(深達度)などさまざま状況を検討の上、「ポリープ切除術(ポリペクトミー)」「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」のいずれかで主に内視鏡治療に当たります。治療後に回収された病変は「病理検査」に出され顕微鏡で詳しく調べられ、「病変が良性か悪性(がん)か」「がんだった場合、どのくらい深いか」「リンパ管や血管に入り込んでいないか」「完全に取り切れているか」などを病理学的に確定し、治療の有効性が判断されます。
ポリープ切除術(ポリペクトミー)・
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
Polypectomy / Endoscopic Mucosal Resection (EMR)
主に、がんになる前の段階である「腺腫」という良性のポリープや、ごく初期のがんが治療の対象となります。キノコのように茎を持ったタイプ(有茎性)の病変はポリペクトミーで、平坦で茎のないタイプ(無茎性)の病変はEMRで切除されるのが一般的です。EMRでは切除前に粘膜下層に薬剤(生理食塩水やヒアルロン酸など)を注入し、病変を浮き上がらせ、熱が深部の筋肉層へ伝わるのを防ぎ(安全なクッションの役割)、腸に穴が開くリスクを減らします。また、病変をしっかり持ち上げることで、がんの根元から十分な距離をとって安全に切除しやすくなります。
最近では、薬液を注入する代わりに、腸の中を水(生理食塩水など)で満たした状態で病変を切除する「Underwater EMR」という新しい方法も広く行われています。水中に浮かんだ病変は、スネア(金属の輪)がかかりやすくなるため、これまで切除が難しかった平坦な病変も、より安全かつ確実に治療できると期待されています。
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ポリペクトミー・EMRの流れ

