家族で看取る「穏やかな最期」 Peaceful end-of-life care" with family members
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10/05 (月) 09:55更新

ステージ別大腸がんの治療

Treatment of Colorectal Cancer by Stage
医師 
喜田凛
卒後20年目の医師、初期・後期臨床研修後、各地で研鑽を積んだ後、現在は某地方病院消化器内科部長を務めている。消化器疾患・消化管内視鏡分野の診断・治療を担当し、日々患者さんの病に一緒に立ち向かっています。
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外科手術

surgery

ステージⅠの一部~Ⅲでの外科手術の目的は、がんそのもの(原発巣)を完全に切除することと、転移している可能性のある周囲のリンパ節をまとめて切除する「リンパ節郭清(かくせい)」の2つが目的となり、結腸がんか直腸がんかによって、それぞれ手術方法が異なります。

 

【結腸がんと直腸がんの手術の違い】

結腸がんの手術

  • がんがある部分の結腸を十分な安全域をとって切除し、同時にその領域の血液を供給している血管と、それに沿って存在するリンパ節をまとめて切除します。その後、残った腸と腸をつなぎ合わせる吻合ふんごう処置を行います。

    ・右半結腸切除術:盲腸・上行結腸の一部にがんがある場合
    ・横行結腸切除術:横行結腸にがんがある場合
    ・左半結腸切除術:下行結腸にがんがある場合
    ・S状結腸切除術:S状結腸にがんがある場合

 

直腸がんの手術

  • 骨盤内の狭い空間にある直腸は、すぐ近くに排尿や性機能に関わる重要な神経や、肛門を締める筋肉(括約筋かつやくきん)があるため、がんを取り除きつつ、これらの機能をいかに温存するかが大きな課題となります。


    ・前方切除術

    1. 高位前方切除術こうい ぜんぽうせつじょじゅつ

     肛門から比較的離れた直腸の上部にがんがある場合に行われます。お腹側から操作して直腸を切除し、残った結腸と直腸を比較的高い位置でつなぎ合わせます。術後の排便機能への影響は、次にご説明する低位前方切除術に比べて少ない傾向にあります。

    2. 低位前方切除術ていい ぜんぽうせつじょじゅつ


     肛門に近い直腸の中部〜下部にがんがある場合に行われます。骨盤のより深いところで操作する必要があるため、高位前方切除術に比べて難易度の高い手術です。術後は、便が頻回になったり、残便感が出たりするなど、排便機能に影響が出ることがあります。


    ・直腸切断術(マイルズ手術)

     肛門に非常に近い場所にがんがある場合、肛門の筋肉(括約筋)ごとがんを切除する必要があります。この場合、肛門ごと腫瘍を切除するため、永久的な人工肛門(ストーマ)をお腹に造設することになります。この術式を「直腸切断術」と呼びます。


    ・内肛門括約筋切除術(ISR)

    肛門にかなり近いがんでも、括約筋の一部を残せる場合に選択される切除術で、肛門を残せる可能性がありますが、術後の排便機能に影響が出ることがあります。こちらの手術はその適応が厳密に判断され、対応出来る施設も限られています。
     

 

【手術の方法】

直腸がんと結腸がんそれぞれの状態・状況に合わせ、1~3の手術方法で最適な切除術が行われます。

  1. 開腹手術
    お腹を縦に大きく切開して行う従来の方法で、視野が広く、直接手で臓器に触れて操作できるメリットがありますが、傷が大きく、身体への負担も大きいため、術後の回復に時間がかかります。

  2. 腹腔鏡下手術
    現在主流となっている方法で、お腹に5㎜~12㎜程度の小さな穴を数か所開け、そこからカメラ(腹腔鏡)や特殊な手術器具を挿入し、モニターを見ながら手術を行います。傷が小さく、痛みが少ないため術後の回復が早いのが最大のメリットです。

     

  3. ロボット手術
    執刀医は少し離れた操作台(サージョンコンソール)から、ロボットアームを遠隔操作して手術を行います。手ぶれが補正され、人間の手よりも精密で細やかな動きができるため、特に神経が密集する骨盤内の直腸がん手術で適応されます。

 

 

術後補助化学療法(抗がん剤治療)

Postoperative adjuvant chemotherapy (anticancer drug therapy)

手術でがんをきれいに取り切れたように見えても、画像検査では捉えきれない、ごく微小ながん細胞が、血液やリンパの流れに乗って体内に潜んでいる可能性があるため、将来の再発リスクを下げるため、術後補助化学療法(抗がん剤治療)を行います。

ステージⅡではリンパ転移はないものの、がんが筋肉の層より深く達している状態であり、再発リスクはステージⅢよりは低いとされます。しかし、同じステージIIの中でも、

  1. がんが大腸の壁を突き破っている

  2. 腸閉塞や穿孔(腸に穴が開くこと)を起こした状態で発見された

  3. がん細胞が悪性度の高いタイプ(再発しやすいタイプ)

  4. がんがリンパ管や血管に入り込んでいる

などの特徴が見られる場合は「高リスク群」と判断され、再発を防ぐために術後補助化学療法(抗がん剤治療)を行うことが強く推奨されます。

ステージⅢではリンパ節への転移があり再発リスクが高い状態のため、術後補助化学療法(抗がん剤治療)を行うことで再発率を下げることを目指します。術後補助化学療法(抗がん剤治療)を行うことで、生存率を高める効果が科学的にも証明されており、年齢や体力などに大きな問題が無ければ、ほぼすべての方が術後補助化学療法(抗がん剤治療)を行います。

 

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ステージIV(遠隔転移があるがん)の治療

喜田凛=監修
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