大腸がんステージⅣの診断後に知りたいこと
ステージⅣの大腸がんと診断を受けた瞬間、頭が真っ白になり、「もう、治ることはないのだろうか」「どのくらい苦しい治療になるのだろうか」と、治療への不安や、「がんの治療と共に、これからの時間をどうすれば自分らしく過ごしていけるのか」といった深く、重い問いに直面しているのではないでしょうか。
この記事では、まずご自身の体の状況と治療の選択肢を正しく理解し、その上で治療と並行して痛みや不安を和らげる「緩和ケア」の重要性について触れます。日々の生活の質(QOL)を高め、病気の情報だけではなく、これからの1日1日をより穏やかに、豊かに、そして「自分らしく」生きるための具体的な内容もご紹介していきます。
ご自身やご家族が、希望を持ち、病気と共に「自分らしい」時間を過ごすきっかけとして頂けましたら幸いです。
「もくじ」
ステージⅣの大腸がんとは
大腸がんにおける「ステージⅣ」とは、がんが最初に発生した大腸の壁を越え、血液やリンパの流れに乗って、肝臓や肺、腹膜といった他の臓器にまで広がった状態(転移)を指します。その治療目標は、患者さん一人ひとりの状況によって異なります。
転移が少数で、手術で取り切れる場合には「治癒」を目指しますが、手術が難しい場合には薬物療法(抗がん剤や分子標的薬など)が中心となり、がんの進行を遅らせる「延命」と、症状を和らげる「症状緩和」を主な目標とします。これにより、がんと共に生きる時間を可能な限り長く、穏やかに保つことを目指します。
ここではステージⅣと末期がんとの違い、主な転移先について説明します。
ステージⅣと末期がんとの違い
The difference between stage IV cancer and terminal cancer
「ステージⅣ」と「末期がん」は医学的に意味が異なります。「ステージⅣ」は、がんの進行度を客観的に示すための基準(TNM分類など)の中で最も進行した段階を指し、「がんが最初に発生した場所から離れた臓器にまで転移(遠隔転移)している」ことを意味します。近年の医療の進歩により、ステージⅣであっても、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法や放射線治療を組み合わせることで、がんを縮小させたり、進行を長期間コントロールしたりする可能性も出てきており、ステージⅣで根治(治癒)や長期生存を目指した積極的な治療が行われることがあります。
対して「末期がん」とは、がんのステージに関わらず、「あらゆる治療が有効でなくなり、回復の見込みがないと医学的に判断された状態」を指します。がんそのものを治すことを目的とした積極的な治療(根治治療)は難しくなった状態であり、痛みや苦痛などの症状を和らげ、患者さんが自分らしく穏やかに過ごせるようにするための「緩和ケア」が治療の中心となります。
大腸がんの主な転移先
Common sites of metastasis for colorectal cancer
最も多い転移先は「肝臓」、次いで多いのが「肺」です。その他「腹膜」「骨」「脳」「遠隔リンパ節」への転移が見られ、どの臓器にいくつ転移があるかによって現れる症状や治療方針が変わってきます。
ステージⅣで現れる症状
ステージⅣで現れる症状には、がんが最初にできた「原発巣(大腸そのもの)」から来る症状と、がんが「転移した臓器」から来る特有の症状の2つにわけられます。ここではそれぞれの2つの症状について説明をしていきます。
原発巣(大腸そのもの)による症状
Symptoms caused by the primary tumor (the large intestine itself)
進行度合いや、がんができた場所によって現れ方が異なりますが、次のような代表的な症状が現れます。
血便・下血
便通の変化
便が細くなったり、下痢と便秘を繰り返したりします。残便感(便が出きらない感じ)を伴うこともあります。腹痛・お腹の張り
貧血や倦怠感、体重減少
慢性的な出血により貧血が進行し、めまいや動悸、強いだるさを感じることがあります。またがん細胞が体の栄養を消費するため、食欲があっても体重が減っていくこともあります。
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転移した臓器による特有の症状

