大腸がんのリンパ節転移とは
大腸がんにおけるリンパ節転移は、進行度を判断し、今後の治療方針を考える上でとても大切なポイントとなります。リンパ節転移では、転移した位置や広がり方によって、治療を行うことで根治を目指せるケースも少なくありません。この記事では、大腸がんのリンパ節転移がどのような状態で、どのように診断・治療されていくのかをわかりやすく解説していきます。現在抱えている疑問や不安を整理し、適切な治療法を主治医と決めていくための一助となりましたら幸いです。
「もくじ」
大腸がんのリンパ節転移とは
大腸がんのリンパ節転移とは、大腸に発生したがん細胞が、大腸の壁にある体内を流れるリンパ液(※1)を運ぶリンパ管に入り込み、周りのリンパ節に流れ着いて増殖することを指します。このリンパ節転移の有無は、がんの進行度や今後の治療方針を決めるうえでとても重要です。本記事では、リンパ節転移とは何か、その診断と治療についてわかりやすく解説します。
※1:リンパ液
体の中を流れる透明~乳白色の食事の脂肪分を含む液体で、毛細血管から染み出した余分な水分や老廃物をリンパ管に集めて運びます。
リンパ節転移の主な症状
大腸がんのリンパ節転移では、大腸がんの検査や手術の際に偶然見つかる場合や、がんがさらに進行し他の臓器への転移(遠隔転移)した際に症状が現れてから発見される場合がほとんどです。逆にリンパ節転移自体は、直接的な症状を引き起こすことが進行していないうちは稀であることから、リンパ節転移があっても気づかないことも少なくありません。
ここではリンパ節転移が体に及ぼす影響と、どのようなサインとして症状に現れる可能性があるかを説明します。早期発見と適切な治療へ繋げるためにも、ご自身の身体からの小さなサインを見逃さないよう意識してみてください。
自覚症状
Subjective symptoms
大腸がんのリンパ節転移はそれがあっても自覚症状は極めて乏しいのが特徴です。しかし、リンパ節がかなりの大きさに増大したり、周囲の臓器、組織・神経を圧迫するようになると、以下のような自覚症状が稀に現れることがあります。
痛みや圧迫感
転移したリンパ節が大きくなり、周囲の神経や血管、臓器を圧迫することで痛みや不快感しびれなどを引き起こすことがあります。むくみ
転移したリンパ節がリンパ液の流れをせき止めることで、リンパ浮腫と呼ばれる手足のむくみが生じることがあります。特に骨盤内のリンパ節転移が進行した場合に、下肢のむくみとして現れる可能性があります。体重減少や倦怠感
がんが進行し、リンパ節転移が広範囲に及ぶと、全身症状として原因不明の体重減少や慢性的な倦怠感が現れることがあります。
リンパ節転移の診断方法
初期のリンパ節転移では自覚症状が少なく、様々な医療検査を組み合わせてリンパ節転移を診断していきます。ここでは、リンパ節転移をどのように診断していくのか、主な検査方法について解説をしていきます。
画像検査
Image inspection
リンパ節転移を診断するための初期段階で最も行われる検査で、体の内部を傷つけずに観察し、リンパ節の腫れやがんの広がりを示す異常がないかを確認するために画像検査が行われます。画像検査には「CT検査」、「MRI検査」、「PET-CT検査」があります。
X線を用いて体の断面画像を撮影し、リンパ節の大きさや形の変化、内部の構造の不均一さなどから、転移の可能性を評価します。正常よりも大きく腫れている場合や、形がいびつになっている場合などに転移を疑うことが多いですが、炎症などで腫れることもあるため、他の情報と合わせて総合的に判断されます。
強い磁場と電波を用いて体の断面画像を撮影する検査で、特に骨盤内の狭いスペースに発生する『直腸がん』において、骨盤内のリンパ節転移の有無や、周囲への浸潤、リンパ節転移の評価によく使われます。CTよりも詳細ではっきりとした組織の画像が得られるため、微細な転移の検出に役立つことがあります。
放射線薬剤を体内に注射し、がん細胞がブドウ糖を多く取り込む性質を利用し、がん細胞がある部位を光らせて検出する検査です。CT画像とPET画像を融合させることで、がんの位置と働きの強さを同時に評価することができ、全身のがん病変を効率的に検索できます。そのため、大腸がんの再発や遠隔転移の有無、他の部位への隠れたリンパ節転移の発見にも非常に有効です。しかし、腸炎や手術後の炎症でもリンパ節が光ってしまうことで、がんの転移と見分けがつかないことがあるため、万能というわけではなく、他の画像検査などと合わせて総合的に判断する必要があります。
ただし、これらの画像検査だけではリンパ節転移かどうかを完全に言い切ることはできません。最終的な確定には、後述の病理検査が必要になります。
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病理検査

