大腸がんが肝臓に転移したときに知っておきたい症状と治療法
大腸がんの治療を続ける中で、「がんが肝臓に転移している」と医師から告げられた時、頭が真っ白になり、不安や恐怖で胸がいっぱいになる方も少なくありません。しかし現在の医療は日々進化しており、大腸がんが肝臓に転移している(肝転移)状態に対しても、有効な治療法が確立されつつあります。治療成績も年々向上しており、適切な治療を受けることで長期的な生存や再発の抑制が期待できるケースも増えています。
この記事では、「大腸がんの肝転移」について、大腸がんがどのようにして肝臓に転移するのか、その仕組みから診断に至るまでの検査の流れ、さらに具体的な治療法と治療後のサポート体制までをわかりやすく解説します。
肝転移について正しく理解し、今の自分の状態を冷静に見つめ直すことが、これからの治療を前向きに考える第一歩になります。少しでも不安が軽くなり、主治医とともに最適な治療方針を見つけていくための助けとなれば幸いです。
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大腸がん肝転移とは?
大腸がんは進行すると血液の流れに乗り他の臓器へ転移しますが、特に肝臓は転移しやすい臓器の一つと言われています。しかし、近年は医療の進歩により、多様な治療法が確立され、多くの患者さんが良好な経過を辿っています。この章では、大腸がんの肝転移について、基本的な知識から、なぜ転移が起こるのかを解説します。
発生頻度と転移の種類
Incidence and types of metastasis
大腸がんと診断された患者さんでは、診断時にその約15%~25%で肝転移が見られると言われています。また、治療の経過中に再発として肝転移を生じる例を含めると、全体の約半数の患者さんが肝転移を経験するとも言われています。
大腸がんの肝転移には、診断時すでに肝臓に転移が見られる「同時性肝転移」と、大腸がんの手術後に時間をおいて肝臓に転移が見つかる「異時性肝転移」の二つのパターンがあります。
「同時性肝転移」は、大腸がんの診断時、もしくは原発巣(大腸がん)の手術前後の短い期間(一般的には診断~2~3ヶ月以内)に肝転移が見つかる場合を指し、大腸がんと肝臓の転移が同時に存在する状態を言います。
「異時性肝転移」は、大腸がんの診断・手術時には肝臓に転移が見られず、その後の経過観察やフォローアップで新たに肝転移が発見される場合を指し、原発巣治療後、一定期間を経てから転移が明らかになる状態を言います。
肝転移のきっかけ
Trigger for liver metastasis
大腸から吸収された栄養分や血液は、「門脈:(※1)」という太い血管を通り直接肝臓へと流れます。そのため、大腸から肝臓へは、がん細胞が到達しやすい経路が元々あるとも考えられます。
また、がんの分化度(※2)や、増殖速度などによって転移の起こりやすさは異なります。なお、CEAなどの腫瘍マーカー(※3)高値は転移を示唆する一因ですが、確定的な指標ではありません。
※1:門脈
胃や腸、小腸、大腸、膵臓などの消化器官から集まった血液を肝臓に運ぶ大きな血管のことをいいます。
※2:分化度
腫瘍細胞が本来の組織の細胞にどれだけ似ているか(成熟しているか)を示す指標であり、「高分化」は正常細胞に近く、「低分化」は構造や性質が大きく異なることを意味し、一般的に分化度が低いほど悪性度が高いとされます。
※3:腫瘍マーカー
がん細胞が体の中で作り出す特別な物質のことをいい、腫瘍マーカーを調べる検査でがんがあるかどうかの目安や、治療の効果や再発の確認をする際の体の状態を総合的に見るための一つの手がかりとして調べられます。
肝転移の症状と診断
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、がんが肝臓に転移していても明確な自覚症状が現れないことも多く、転移したがんが大きくなり、数が増え、肝臓の機能に影響を及ぼし始めて初めて徐々に症状が現れてくることも稀ではありません。
ここでは肝転移の主な自覚症状と、肝転移を正確に診断するための検査について説明します。
主な自覚症状
Main subjective symptoms
転移したがんが小さいうちは明確な自覚症状はほとんどありませんが、転移部が大きくなり、肝臓の機能に影響を及ぼし始めると、次のような症状が自覚症状として現れてきます。
全身倦怠感(だるさ)や疲労感、微熱がつづく
食欲不振や体重減少
肝臓の位置する右のわき腹から上腹部にかけての鈍い痛みや圧迫感、不快感
お腹がはる感じ(腹部膨満感)がする
※4:黄疸
肝臓の機能が著しく低下し、胆汁の排出が滞ることで体内にビリルビンという色素が蓄積し、解毒機能が働かず生命に関わる状態であり、皮膚や目の白い部分が黄色くなります。
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診断のための検査項目

