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10/14 (水) 08:53更新

大腸がんが肝臓に転移したときに知っておきたい症状と治療法

Symptoms and Treatments to Know When Colorectal Cancer Metastasizes to the Liver
医師 
喜田凛
卒後20年目の医師、初期・後期臨床研修後、各地で研鑽を積んだ後、現在は某地方病院消化器内科部長を務めている。消化器疾患・消化管内視鏡分野の診断・治療を担当し、日々患者さんの病に一緒に立ち向かっています。
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診断のための検査項目

Diagnostic test items

大腸がんによる肝転移を正確に診断するためには、複数の検査を組み合わせて総合的に評価することが不可欠です。まずは患者さんの自覚症状や既往歴を詳しく聞く問診から行われます。その後以下のような検査が行われます。

採血

大腸がんによる肝転移の診断において、採血は非常に重要な役割を担い、血液検査では主に肝機能、腫瘍マーカーについて評価をします。

 

肝機能肝臓がどれくらいダメージを受けているか、胆汁の流れに問題がないかなどを確認します。
腫瘍マーカーがん細胞から放出されるCEA(がん胎児性抗原)とCA19-9(シアル化糖鎖抗原)という物質の血液中の濃度を調べ、濃度が高くなるとがんが存在する可能性が高まります。特にCEAは、肝転移の有無、治療効果の判定、再発の早期発見の際に調べられます。

 

 

*腫瘍マーカー
がんの確定診断に用いるものではなく、良性の疾患や炎症でも高値を示すこともあるため、他の検査と合わせて評価されます。
実際に、腫瘍マーカーの値が基準値内でも転移が見つかる患者さんもいますが、逆に少し高い数値が続いても画像検査では異常がない場合もあります。あくまで全身の状態を把握するための一つの目安として捉え、数値の変動に一喜一憂しすぎないことも大切です。心配な数値がある場合は良く主治医にお話を伺うのがよいでしょう。

 

画像検査

画像検査では、肝転移の有無や位置、大きさ、数を視覚的に確認するための検査で、超音波検査(エコー)、CT検査(コンピュータ断層撮影)、MRI検査(磁気共鳴画像法)、PET-CT検査(陽電子放出断層撮影)検査があります。

 

超音波検査体への負担が少なく、リアルタイムで肝臓の状態を確認できますが、小さな病変を見逃す可能性があります。
CT検査X線を用いて転移巣の位置や大きさを正確に把握し、造影剤を使用することで、がんの病変がより鮮明になります。
MRI検査磁気と電波を利用し、肝臓の病変の質的な診断に優れており、CT検査ではわかりにくい小さな転移や、肝臓内の他の病変との鑑別を判断します。
PET-CT検査がん細胞がブドウ糖を多く取り込む性質を利用し、全身のがんの有無や活動性を調べることができ、肝転移だけでなく他の臓器への転移も一度にスクリーニング(※5)できる利点があります。全身の転移を一度に調べられる利点がありますが、微小な病変は検出できないこともあります。

 

 

※5:スクリーニング
症状が出ていない段階、または症状が軽微な段階で発見するために行われる検査や評価のことをいいます。

 

生検せいけん

画像検査で肝臓に転移が疑われる病変が見つかった場合、画像で明らかに転移と判断できるときは、生検を省略することもあります。しかし、画像だけで判断が難しい場合や、治療方針を決めるための追加情報が必要な場合には生検が行われます。

生検では、超音波で病変を確認しながら細い針をさして、組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。これにより病変が良性か悪性かを病理組織学的に判断します。さらに、採取した組織からは、どのような性質を持ち、どのような遺伝子変異があるかといった情報も得られ、今後の治療方針、特に*薬物療法を選択する際の重要な判断材料となります。

*薬物療法と化学療法の違いについて
薬物療法にはホルモン療法や分子標的薬法などがあり、がんを治すだけでなく進行の抑制や症状の緩和、再発予防などの複数の目的がありますが、化学療法は「抗がん剤」を使い、がん細胞を攻撃する薬物療法の一つとなります。

 

肝転移の治療法

近年の医療技術の進歩は目覚ましく、大腸がんによる肝転移の治療選択肢は大きく広がっており、外科手術による根治を目指す治療から、様々な薬物療法、局所療法まで、患者さん一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法が担当医から提案されることでしょう。

この章では大腸がんが肝臓に転移した場合に行われる主な治療法について詳しく解説します。
 

外科手術(肝切除術)

Surgery (hepatectomy)

肝転移に対して根治を目指せる治療の中心は外科手術による肝切除術です。これに加え薬物療法や局所療法を組み合わせることで手術の可能性を高めることができ、これを治療効果を最大限に引き出す「集学的治療」と言います。ここでは外科手術(肝切除術)と低侵襲手術ていしんしゅうしゅじゅつについて詳しく説明をします。

 

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肝切除術の種類と適用

喜田凛= 文
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