施設別の費用相場
家族の長期療養先として施設入所を検討する際、「毎月いくらかかるのか」「どのような施設を選べばよいのか」と悩む方は少なくありません。一口に施設と言ってもいくつかの種類があり、それぞれの施設で対象やかかる費用が異なります。本記事では、介護医療院(Ⅰ型・Ⅱ型)、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の要介護度別費用目安と特徴を解説します。あわせて、初期費用や医療費の注意点、医療ソーシャルワーカーの実務経験を踏まえたアドバイスも紹介し、ご家族が予算に合った施設を選ぶための参考となる情報をお届けします。
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病院・在宅(自宅)・施設、それぞれの費用構造
介護や療養の場所は大きく「病院」「在宅(自宅)」「施設」の3つに分かれ、費用の構造が異なるため、それぞれのコストと家族の費用バランスを見極めることが大切です。
「病院」は治療優先の場です。「高額療養費制度(※1)」により医療費の上限は決まりますが、日用品や、個室を選んだ場合の差額ベッド代は全額実費(自己負担)となり、長期化すると負担が増える傾向にあります。
「在宅(自宅)」は、訪問診療や介護サービスを組み合わせるための予算調整がしやすい反面、家族の労力負担が大きく、光熱費や食費などの生活費が継続してかかります。
「施設」は、安心感は高いものの、家賃・管理費・食費といった固定費が毎月必ず発生するため、民間の施設入居の場合は、入居費などのあるところも多く、総額は最も高くなる傾向にあります。
ここでは、療養場所ごとの費用構造について簡単に解説してきましたが、実際には、医療と介護の両方を長期間利用するケースも多く、最終的な自己負担はさらに調整される仕組みがあります。
医療と介護を合算した負担軽減制度
「高額介護合算療養費制度」は、介護と医療の両方を長期間利用している世帯を対象とした制度です。世帯全体で1年間に支払った医療費と介護費の合計が基準額を超えた場合、その超過分が後から払い戻されます。
※1:高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額の合計が一定の自己負担限度額を超えたときに、その超過分が支給される制度で、患者さんの医療費負担を軽減することを目的とした公的医療保険の制度です。自己負担限度額の上限は、年齢や所得によって異なります。なお、自己負担限度額は2026年8月から段階的に引き上げられ、住民税課税世帯では従来より月額数千円~1万円超増加する見込みです。あわせて長期療養者の負担を抑える「年間上限」が新設され、毎月の負担が月額上限には届かなくても、通院や治療が長期にわたる場合はこの年間上限により負担が軽減されることがあるため、長期療養が見込まれる方は最新の上限額を加入する医療保険者にご確認ください。
※「病院での療養にかかる費用相場~入院・通院の目安と高額療養費制度の活用術~」記事で詳しくお伝えしていますのでこちらをご確認ください。
施設:介護医療院・施設入所にかかる費用の目安
施設サービスの利用には、長期療養が必要な要介護高齢者向けに医療・看護・介護・日常生活支援を一体的に提供する「介護医療院」と、生活の場を自宅から移す「施設入所(長期入所)」の2つの選択肢があります。どちらも費用の基本構造は似ており、「介護サービス費(1~3割負担)」に、「居住費(滞在費)・食費(原則全額実費)」が加算される仕組みです。
特に「居住費・食費」は、施設の種類や、また個室か多床室かによって金額が大きく変動します。予算と目的に合った施設選びの参考にしてください。
※本記事でご紹介している各介護施設費用は、2026年度介護報酬の期中改定(処遇改善加算の拡充:2026年6月施行、食費の基準費用額引き上げ:2026年8月施行)を反映した概算となっております。正確な金額は各施設・最新の介護報酬にてご確認ください。
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