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11/04 (水) 08:11更新

大腸がん これだけは知っておきたい基礎情報

Colorectal Cancer: Essential Information You Need to Know
医師 
田中 良治
消化器内科医。消化器病専門医・消化器内視鏡専門医として12年目。大腸がんをはじめとする消化器疾患の診療・内視鏡治療に携わり、患者さんに寄り添った医療を実践している。
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大腸がんは、食べ物の通り道である大腸にできる悪性腫瘍で、今や日本人の死亡原因の上位に位置するほど身近な病気となっています。特に40歳以降で増え始め、高齢になるほどリスクは高まる傾向にあります。食生活の欧米化や運動不足、遺伝なども関係しており、誰もが発症する可能性があります。一方で、早期に発見できれば治る確率も高いがんであるとも言われています。本記事では、「大腸がんとは何か」という基本を分かりやすく解説しています。大腸がんについて知識を身につけることで、自分の体と向き合い、早期発見や予防につながるきっかけとなれば幸いです。

 

 

大腸がんとは?日本人に増えている身近な「がん」

ここでは、大腸はどこにある臓器で、どのような働きをしているのか、

また大腸がんとはどのような病気なのか、という基本的な内容を解説していきます。
 

 

大腸とは

What is the large intestine?

大腸は、お腹の中にある食べ物の通り道の最終部分にあたり、長さ約1.5m~2mの管状の臓器です。食べ物は、食道を通して唾液と混ざり合い胃へ運ばれます。胃の中で3~4時間かけてドロドロのかゆ状態になったものは小腸に送られ、そこで約8時間かけて栄養素を吸収します。その後、大腸で液体の状態になった食べ物から体に必要な最後の水分を丁寧に吸収して、固形の便を作り出します。大腸はただ便を作るだけでなく、体内の水分バランスを整え、不要なものを体外へ排出するという、私たちの体を常に正常に保つ重要な役割を担っています。

 

大腸がんとは

What is colorectal cancer?

大腸は大きく分けて「結腸けっちょう」と「直腸ちょくちょう」に分かれます。大腸がんは、大腸の壁の一番内側を覆う「粘膜」という部分の細胞が正常なコントロールを失い、ルールを無視して増え続けて(増殖)しまう病気です。多くの場合、初めは「ポリープ」と呼ばれる良性のできものとして現れますが、このポリープが少しずつ大きくなる過程で、細胞の性質が変化し、悪性のがん細胞が生まれると考えられています。

粘膜から発生し、粘膜下層ねんまくかそうにまで留まっているがんは「早期がん」、固有筋層こゆうきんそう、漿膜下層しょうまくかそう、漿膜しょうまくにまで及んでいるがんは「進行がん」に分類されています。

 

日本人に増えている身近ながん

Common cancers on the rise among the Japanese

厚生労働省が公表している「2023年全国がん登録罹患数・率報告」の統計によると、男女を合わせた日本人全体で見ると、大腸がん(結腸がんと直腸がんを合わせたもの)の罹患数は、全てのがんの種類の中で第1位となっています。

男性だけに絞って見ると、大腸がんは前立腺がんや胃がん、肺がんといった他のがんを抑え、罹患数(※1)が第1位です。

一方、女性においては、罹患数が最も多いのは乳がんですが、大腸がんはそれに次いで第2位となっています。

※1:罹患数
ある一定の期間に、新しくその病気だと診断された人の数のことを言います

 

大腸がんと診断された方の5年後生存率

ここでは、大腸がんと診断され治療を開始してから「5年後」に生存されている方の割合について説明します。

多くのがんでは、治療後5年間再発がなければ一つの「治癒」の目安とされるため、「5年」という期間が用いられています。

【ステージ別大腸がんの5年実測生存率】

ステージ状態の目安5年後生存率
Iがんが筋肉の層までにとどまっている状態83.1%
Ⅱがんが筋肉の層を越えているが、リンパ節転移はない状態75.6%
Ⅲリンパ節に転移がある状態68.7%
Ⅳ肝臓や肺など、遠くの臓器に転移(遠隔転移)がある状態17.0%

 

出典:国立がん研究センター がん情報サービス
「院内がん登録生存率最新集計値」(大腸がん・2014~2015年5年生存率の実測生存率)をもとに作成
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/latest.html?utm_source=chatgpt.com

 

生存率は、何千人、何万人という方々のデータを集計した「平均値」にすぎません。同じステージと診断されても、体力のある若い方と、多くの持病を抱えたご高齢の方、薬が非常によく効くタイプのがんの方と、そうでない方など、一人ひとり状況は異なり、この「個人差」の部分は、統計データには決して現れません。

治療は「今、この瞬間」も進歩しています。このデータは2015年までに診断された方々のものです。それから何年も経った今、特にステージが進んだがんに対する薬物療法(分子標的薬(※2)、免疫の薬など)は、目覚ましい進歩を遂げており、治療成績は進歩しています。

がんの種類や遺伝子のタイプによって分子標的薬の治療が可能か決まりますが、この分子標的薬の登場により、がん治療は「誰にでも同じ治療」から「一人ひとりの、がんの個性に合わせた治療」へと大きく進化しています。今受けるべき治療については、主治医とよく相談の上、ご本人自身の意思を尊重した決定をすることが大切です。

※2:分子標的薬
がん細胞だけが持っている「特別な目印」を狙い撃ちして、がんの増殖を止める薬のことを言います。ただ、正常細胞に作用する場合もあり、その場合皮膚障害や薬剤性肺炎や下痢などの副作用が起こることもあります。

 

 田中先生からのアドバイス

分子標的薬はすべての大腸がんに適応されるわけではなく、腫瘍の遺伝子(RAS、BRAFなど)の変異有無により効果が大きく変わります。そのため、治療選択前には遺伝子検査を行い、結果に応じて薬剤を使い分けます。

 

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大腸がんになりやすい人の特徴

田中 良治=監修
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