直腸がんを中心とした大腸がんにおける放射線治療の役割
晩期合併症
(終了後数ヶ月後~数年後)
Late-onset complications
(from several months to several years after completion)
晩期合併症は、治療が終了してから数ヶ月後、あるいは数年経ってから現れるものを指します。急性期の合併症が一時的な症状であるのに対し、晩期合併症は症状が慢性化することもありえるため、注意深く対応することが大切です。
【主な合併症と対策】
放射線性直腸炎・膀胱炎:「血便」「出血」「頻便」「排便時の痛み」「頻尿」「排尿時痛」「血尿」などの症状が現れることがあります。重症化すると直腸潰瘍や膀胱の萎縮を引き起こすこともあります。
~対策~:炎症を抑える薬や粘膜保護薬が使用されることもあります。
出血が続く場合は止血剤が処方されたり、止血術が行われます。腸閉塞(イレウス):放射線によって腸管の動きが悪くなり、「腹痛」「吐き気」「嘔吐」「便秘」などの症状が現れることがあります。
~対策~:食事摂取を中止し、点滴で栄養や水分をとり、腸管の安静を保ちます。時に腸管の動きを調整する薬や、痛みを抑える薬を投与することもあります。骨盤骨折:放射線が骨盤に照射されることで骨密度が低下し、骨折しやすくなることがあります。特に高齢の方や閉経後の女性、元々骨粗しょう症がある方などで起こりやすい症状です。
~対策~:放射線治療前から定期的に骨密度を測定し、骨粗しょう症の兆候がないか確認し、必要に応じて骨密度を高めるための薬が処方されることがあります。神経障害:ごくまれに放射線が骨盤内の神経に影響を与え下肢のしびれや痛みが生じることがあります。
~対策~:症状が現れた場合は、専門医による詳細な評価と治療が必要となります。
自宅でできるセルフケア
放射線治療は、様々な合併症と向き合うため、医療機関での専門的な治療やケアはもちろん重要ですが、ご自身のセルフケアも症状を和らげ、治療を乗り切る上で非常に大きな役割を果たします。ここでは放射線治療に伴う合併症を軽減し、心身の負担を和らげるために、日々の生活に取り入れやすく、ご自身で実践できる食事の工夫や生活習慣のポイントを具体的に説明していきます。
食事
meal

腸管への負担を減らすため、脂肪分の多いもの、香辛料、カフェイン、アルコールなどの刺激物を避け、おかゆ、うどん、白身魚、鶏むね肉、豆腐など柔らかく消化のいい食材を選びましょう。
水、麦茶、薄味のスープ、時には経口補水液などでこまめに水分を摂りましょう。
食事をとれなくなってきたときは、1回の食事量を減らし、1日5~6回など回数を増やし、対応しましょう。
吐き気や味覚の変化がある場合でも、食前・食後の歯磨きやうがいをしっかり行い、口腔内を清潔に保つことが大切です。

生活習慣
lifestyle habits

放射線治療中は疲労感が出やすいため、無理をせず体が疲れたら休むことを心がけましょう。十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることが体力回復に繋がります。
放射線を照射した部位の皮膚は優しく洗い、刺激の少ない石鹸を使用しましょう。また入浴後は看護師から指示された保湿剤を塗布し乾燥を防ぎ、締め付けの少ない綿などの柔らかい素材の衣類を選ぶといいでしょう。
体調の良い日は散歩など軽い運動を取り入れることで気分転換になり、体力維持にも繋がります。
喫煙は血管を収縮させ治療効果を妨げる可能性があります。ご自身の身体のためにも、治療のためにも喫煙は控えることをおすすめいたします。
またアルコールは肝臓に負担をかけ、消化器症状を悪化させることもあるため、治療中は極力控えましょう。

心のケア
Emotional care
治療期間が長くなると、将来への不安や体調の変化から、精神的に大きなストレスを感じることも少なくありません。そのような時は、決して一人で抱え込まないでください。 多くの病院には、専門の相談員が在籍する「がん相談支援センター」が設置されています。また、治療費や生活上の困りごとを医療ソーシャルワーカーに相談したり、同じ病気を経験した仲間と語り合える患者会に参加したりすることも、心の大きな支えになります。そして、あなたの主治医、放射線治療医、看護師、診療放射線技師など、多くの専門家から成るチームが寄り添い、あなたを支えています。どうぞ一人で抱え込まず、周りのサポートを頼ってください。
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治療費の目安

