大腸がんのステージ別症状とは?
ステージⅡ期(進行期)
ステージⅡ期では、がんが「粘膜」や「筋層」といった大腸の壁を貫き、大腸の壁の一番外側をおおう「漿膜」の表面までがんが深く進行している状態ですが、「まだリンパ節や他の臓器への転移がない」のが特徴です。
体に現れる症状
Symptoms manifesting in the body
がんが大きくなり、大腸の壁を越えて周囲に影響を及ぼし始めるため、ステージⅡ期では次のような症状が現れやすくなります。
【主な症状】
血便・下血
がんからの出血量が増え、肉眼でわかる赤い血や黒っぽい便として現れます。
便通の変化
がんが腸管を狭くするため、便秘や下痢を繰り返したり、便が細くなることがあります。
腹痛・お腹の張り
がんが腸の内容物の通過を妨げることで、腹痛やお腹の張りを感じることがあります。
残便感
便を出し切ったはずなのに、まだ残っているような不快な感覚が残ることがあります。
腸閉塞(イレウス)
がんが腸を完全に塞いでしまい、便やガスが通らなくなる状態です。激しい腹痛や嘔吐、お腹の強い張りを引き起こし、緊急手術が必要になることもあります。
※これらの症状は、痔や便秘など他の病気と間違われやすいため、自己判断はせずに専門医に相談することが大切です。
主な治療法
Main treatment methods
ステージⅡ期では、がんを完全に取り除くための根治的治療目的として外科手術と、再発リスクが高い場合は抗がん剤治療(化学療法)を行います。
がんのある部分の腸管を、十分な安全域をとり切除すると同時に、目に見えないがん細胞が潜んでいる可能性のあるリンパ節も切除(リンパ節郭清)します。切除した部分は病理検査で詳しく調べられ、正確な進行度や再発リスクを評価します。
手術でがんを取り除いた後、病理結果や腸閉塞があったかどうかなど再発リスクが高い場合かつ、年齢や体力から適応があると判断された場合は、抗がん剤治療(化学療法)を行うことがあります。

田中先生のアドバイス
便通の変化や血便を『痔のせい』と思って放置される方もいます。早期発見できるかできないか、根治的治療ができるかできないか(手術適応かそうでないか)で生存率も大きく変わってしまうため、血便など気になる症状が続く場合は必ず消化器内科を受診して大腸内視鏡検査を受けてみてください。ステージⅡ期でも再発リスクが高いと判断されれば、術後に抗がん剤を追加します。年齢や体力に応じて調整し、患者さんにとって無理のない治療を心がけています。
ステージⅢ期(進行期)
ステージⅢ期では、がんの深さに関わらず大腸の近くにある「リンパ節」にがん細胞が転移している状態です。しかし、肝臓や肺といった遠くの臓器への「遠隔転移」はない状態のため、根治を目指せる可能性が十分に残されているステージでもあります。
リンパ節は、細菌や異物をせき止める免疫機能を担っており、がん細胞がリンパ管を通りリンパ節にたどり着いたということは、がんが「全身に広がる力を持ち始めた」ということを意味し、「進行がん」の中でもより注意深く治療に臨む必要があります。
体に現れる症状
Symptoms manifesting in the body
ステージⅢ期では、ステージⅡ期で見られた症状がよりはっきりとし、頻繁に現れることが多くなります。
【主な症状】
血便・下血・便通異常
がんがさらに大きくなることで、出血量が増え、腸管がより狭くなり症状が悪化します。
貧血
持続的な出血により、体内の鉄分が不足し貧血になります。めまい、立ちくらみ、動悸、
倦怠感といった症状が現れます。
体重減少
がん細胞が体の栄養を消費するため、食事量は変わらないのに理由なく体重が減っていきます。
腸閉塞(イレウス)
がんが腸を完全に塞いでしまい、便やガスが通らなくなる状態です。激しい腹痛や嘔吐、お腹の強い張りを引き起こし、緊急手術が必要になることもあります。
主な治療法
Main treatment methods
ステージⅢ期では、がんのある腸管と、転移の可能性がある周辺のリンパ節を広範囲に切除(リンパ節郭清)する手術を行います。
またリンパ節に転移があったということは、すでに微小ながん細胞が血液やリンパの流れに乗って全身に広がる可能性が高いことを意味しているため、再発を根絶するために、通常は術後補助化学療法(いわゆる抗がん剤治療)を行います。
抗がん剤治療を行うことで、再発率を大きく下げ、生存率を高めることが証明されています。

田中先生のアドバイス
40代の方で、突然便が出なくなった、ガスが出なくなった、嘔吐が続くといった症状を訴えておられ精査したところ、進行大腸がんによる腸閉塞であった患者さんがおられました。その方は腸閉塞の治療後に外科で手術治療後に抗がん剤治療を開始されましたが、現在も治療を継続しておられます。
リンパ節転移があっても、手術と術後半年程度の抗がん剤を組み合わせることで元気に過ごしておられる方は多くおられます。
『進行がん』と聞いてショックを受けられる方も多いですが、希望を持って治療に取り組んでいただきたい段階です。
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ステージⅣ期(遠隔転移あり)

