あなたの血便、痔のせい?それとも大腸がんのサイン?
医療機関(消化器内科・肛門科)
を受診
Visit a medical facility (gastroenterology/proctology clinic)
出血や血便という症状に気づいたら、まずは専門の医療機関を受診し、医師に相談することが大切です。
現在がん治療でかかりつけの主治医がいる場合、まずは主治医に相談しましょう。主治医はあなたの体全体の状態を把握しており、症状を的確に判断し、必要であれば消化器や肛門科の専門医へスムーズな治療に繋いでくれます。
また、かかりつけ医がない場合や、どの科を受診すればいいか迷う場合は、「消化器内科」または「肛門科」を受診しましょう。大腸カメラなどの検査を通じて大腸全体の問題を調べるなら「消化器内科」、痔など肛門周りの症状が中心なら「肛門科」が専門となります。
症状を我慢したり、自己判断で放置してしまうと、QOL(生活の質)を低下させてしまう原因となり、病気の進行を進めてしまうリスクも高まります。辛い症状を適切にコントロールし、安心して日々の生活を送るためにも、症状に気づいたらまずは医療機関への受診をしましょう。

【杉本先生のワンポイントアドバイス】
痔の専門家とは?
痔の専門家(肛門科を標榜)は主に消化器外科医であることが大半です。消化器外科医の中でも、必ず専門として対応できるとは限らないため、受診するときは対応可能かどうかを確認したほうが良いでしょう。
痛みがひどくない限りは、出血が目立ってもそこまで急激な貧血になることは少ないので、まずは大腸がんなどの危険な病気を検査していき、痔核だけと判明したら、ゆっくりと治療にあたればよいと思います。
大腸カメラ(内視鏡検査)
Colonoscopy (endoscopic examination)
出血や血便の原因を特定し、大腸がんの有無や現在の体の状態を正確に診断するために、最も確実で重要な検査が「大腸カメラ(内視鏡検査)」になります。この検査は、先端に高性能な小型カメラがついた細くしなやかなスコープを肛門から挿入し、医師がモニターを通して直腸から盲腸までの大腸全域の粘膜を直接目で見て観察するものです。
大腸カメラ(内視鏡検査)は、「見る」だけでなく、多くのことができます。
正確な診断
出血の原因となっている箇所(痔、ポリープ、がん、炎症など)を直接特定することができます。組織の採取(生検)
疑わしい部分の組織を少量つまみ取り、顕微鏡で調べる「病理検査」に出すことで、がん組織の有無や種類を確定診断することができます。ポリープの切除
小さなポリープであれば、検査と同時にその場で切除することが可能です。
現在の大腸カメラ(内視鏡検査)は多くの場合、鎮静剤(軽い麻酔のような薬)を使い、リラックスした状態で検査を受けることが可能です。出血や血便の症状で不安を抱えていたら、ご自身の体を守るための大切な検査として、主治医とよく相談し検討してください。
まとめ
痔と大腸がんはどちらも出血を伴いますが、出血の特徴やその他、現れる症状には違いがあります。痔の出血は主に鮮やかな赤色(鮮血)で、排便時に肛門付近で痛みを伴うことが多く、トイレットペーパーや便器に血が付く形で現れます。
一方、大腸がんは、暗赤色や粘血便を特徴とし、痛みを伴わない場合が多いのが特徴です。大腸がんは進行すると血便が続き、体重減少や便通異常など、その他にも症状が現れてきます。
自己判断や市販薬での自己対処による症状の放置はとても危険です。長引く・繰り返す・量が増える血便や、色や便の状態の変化、その他気になる体調の変化があれば早めに医療機関(消化器内科・肛門科)を受診しましょう。この記事を通し、ご自身の体調の変化に気づき、医療機関を受診するきっかけになりましたら幸いです。
【参考文献】
・(*)大腸内視鏡検診の成績を用いた, 便潜血検査陽性反応適中度推定のシミュレーション
山地 裕, 馬嶋 健一郎, 和田 亮一, 光島 徹日本消化器がん検診学会雑誌(2017年55巻5号 p.666-675)

