あなたの血便、痔のせい?それとも大腸がんのサイン?
危険な「痔の症状への慣れ」
The dangerous tendency to "get used to" hemorrhoid symptoms
いぼ痔や切れ痔による出血(特に鮮血)は、肛門近くにできた直腸がんの出血と症状が似ており、専門家であっても見分けることは困難な場合があります。さらに直腸がんと痔が併発していた場合は、出血症状があっても痔があることで、「痔の影響」と決めつけ、その先の病気を考えられなくなることもよくあります。
痔の症状への「慣れ」は特に注意が必要であり、何年も排便時の出血や違和感を繰り返していると、「またいつものことだから」と感覚が麻痺してしまい、危険なサインとして受け止めることができなくなってしまいます。

【杉本先生のワンポイントアドバイス】
痔と便潜血の関係
痔と便潜血が本当に関係するかを調査した研究があり、約68,000人の問診票の中で、痔が悪いと答えた人35%、痔からの出血があると答えた人22%も含まれている評価で、自覚症状がある人とない人での便潜血1日法での陽性率に差が見られなかったと報告されています。(*)
しかも、便潜血陽性+痔などからの出血症状ありの人のほうが、出血症状がない人と比較して、3%から4%ほど大腸カメラで大腸がんが見つかる割合が高くなっていました。(*)
痔だけで、便潜血陽性を繰り返すことは少ないため、痔があったとしても、便潜血陽性の判定が出た場合は、内視鏡検査を受けるようにしましょう。
気を付けるべき市販薬の使用
Use of Over-the-Counter Medications: Points to Keep in Mind
出血や痛みに気づき、市販の痔の薬で症状が治まると「やっぱり痔だった」と安心してしまいますが、市販薬はあくまで炎症や痛みを和らげる「対処療法」であり、根本原因を治すことはできません。もし大腸がんが併発していた場合、薬で痔の症状は軽くなっても、がんからの出血や進行は水面下で続いています。これは市販薬ががんという本当の問題を隠してしまい、専門医への受診を遅らせ、がんの発見を遅らせてしまう原因になります。自己判断で市販薬を使わず、まずは主治医に相談することがとても大切です。
出血・血便に気づいたらやるべきこと
ここでは、出血・血便の症状に気づいたときにやるべきこととして、「血便・出血のセルフチェックリスト」と共に医療機関の受診と、大腸ガメラ(内視鏡検査)について説明します。
血便・出血の
セルフチェックリスト
Self-Checklist for Bloody Stool or Bleeding
お尻からの出血や血便により受診を検討されている方は、ここでご紹介するセルフチェックリストに記載されている情報をメモしておくだけでも、医師は出血の原因を推測しやすくなります。まずはチェックリストを参考に、現在のご自身の体の状態を確認してみましょう。
【血便・出血のセルフチェックリスト】
血の色はどのような色でしたか?
□ 鮮血(真っ赤な血):ポタポタ垂れる、紙につくなど。
□ 暗赤色(赤黒い、レンガ色):便に混じっている、ジャム状など。
□ 黒色(タール便):真っ黒でドロッとした便。
(※黒色便は胃や十二指腸など、大腸より上からの出血を示しています)出血はどのように起こりましたか?
□ 排便の後に、血だけが垂れた。
□ 便と血が混じり合っていた。
□ 便の表面に血が付着していた。
□ 拭いたトイレットペーパーにだけ付着した。出血以外の症状はありますか?
□ 排便時に痛みや裂けるような感覚はありますか?
□ お腹の張りや痛み、便秘・下痢など、便通の変化はありますか?
□ ゼリー状の粘液が混じっていませんか?
※「血便・出血のセルフチェックリスト」のA4用紙の雛形をご用意しております。記事最下部より無料ダウンロードが可能です。
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