大腸がん薬物療法の最新治療薬ガイド
【主な化学療法(細胞障害性抗がん剤)で使用される薬剤】
| FOLFOX療法 | ・主に進行・再発大腸がんの初回治療や、手術後の再発予防(術後補助化学療法)として用いられます。 ・使用される薬剤 5-FU(フルオロウラシル) ロイコボリン(フォリン酸) オキサリプラチン(エルプラット) |
| FOLFIRI療法 | ・特にFOLFOX療法後に効果が不十分であった場合や、副作用の状況に応じて選択されることがあります。 ・使用される薬剤 5-FU(フルオロウラシル) ロイコボリン(フォリン酸) イリノテカン(カンプト) |
| XELOX療法 | ・進行・再発大腸がんの初回治療や術後補助化学療法に用いられ、点滴と経口薬の組み合わせで治療が進められ、経口薬のカペシタビンを含む点が特徴です。 ・使用される薬剤 カペシタビン(ゼローダ) オキサリプラチン(エルプラット) |
大腸がんにおける分子標的薬
大腸がんの分子標的薬は、がん細胞の“弱点”を狙う薬です。具体的には、弱点となっている特定の分子(タンパク質など)に働きかけ、その働きを抑えてがんの成長を防ぎます。少し難しく感じるかもしれませんが、順を追ってわかりやすく説明していきます。
分子標的薬で使用される薬剤
Drugs used as molecularly targeted therapies
大腸がんの治療で用いられる分子標的薬には、主に以下の種類に大きくわけられます。
【主な分子標的薬と使用される薬剤】
| 分子標的薬 | 特徴と使用される薬剤 |
抗VEGF抗体薬 (血管新生阻害薬) | ・がん細胞が大きくなるために自ら新しい血管(新生血管)を作る働きを阻害する薬剤で、特定のがん遺伝子変異に関わらず多くの大腸がん患者さんに使用でき、細胞障害性抗がん剤と組み合わせて使われることが多いです。 ・使用される薬剤 ベバシズマブ(アバスチン) ラムシルマブ(サイラムザ)など |
抗EGFR抗体薬 (上皮成長因子受容体阻害薬) | ・この薬剤を使用するにはまずその薬が効きやすいかどうかを調べる検査の一つである「RAS遺伝子検査(※2)」を行います。そしてRAS遺伝子に変化がないタイプ(野生型)の大腸がんに対して、抗EGFR抗体薬を使うことができます。単独または化学療法との併用で用いられ、「EGFR(上皮成長因子受容体)」という、がん細胞が大きくなる“スイッチ”を直接ブロックし、増殖を止める薬剤になります。 ・使用される薬剤 セツキシマブ(アービタックス) パニツムマブ(ペクティビックス) |
| マルチキナーゼ阻害薬 | ・この薬剤は、がん細胞の増殖や、がんに栄養を届けるための新しい血管づくり(血管新生)、転移などに関わる「キナーゼ」という複数のスイッチをまとめてブロックします。標準的な治療法が効かなくなった進行・再発大腸がんの患者さんに対して、次の治療選択肢として用いられることがあります。 ・使用される薬剤 レゴラフェニブ(スチバーガ):経口薬 |
| BRAF阻害薬 | ・大腸がん細胞に特定の「BRAF遺伝子V600E変異」がある場合(大腸がん全体の5%程度)に効果を発揮する分子標的薬で、抗EGFR抗体薬であるセツキシマブ(アービタックス)と併用されることで高い治療効果が期待されます。 ・BRAF V600E変異陽性の進行・再発大腸がんの患者さんに用いられる分子標的薬となります。 ・使用される薬剤 エンコラフェニブ(ビラフトビ) |
| HER2阻害薬 | ・「HER2」というタンパク質が過剰に発現しているがん(大腸がんの数%)に対して効果を発揮する分子標的薬で、単独または下記薬剤を組み合わせて使用することがあります。 ・使用される薬剤 トラスツズマブ(ハーセプチン) ぺルツズマブ(パージェタ)など |
※2:RAS遺伝子検査
大腸がんなどのがん患者さんの体の中にある「RAS」という遺伝子に変化があるかどうかを調べる検査です。RAS遺伝子が変わっている場合は、特定の薬(抗EGFR抗体薬)が効きにくくなることがわかっており、そのためこの検査の結果をもとに、どんな治療が適しているかを考えます。検査は、がん組織や血液から行い、体に負担が少ない方法で安全に行われます。
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大腸がんにおける免疫チェックポイント阻害薬

