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06/30 (火) 08:17更新

胃がん手術後の身体にやさしいレシピ10選

10 Gentle Recipes for the Body After Stomach Cancer Surgery
管理栄養士 水澤聖子
管理栄養士歴10年 総合病院、回復期病院にて管理栄養士業務に従事。外科術後・内科・透析等、幅広い病態に対する栄養指導を月50件以上担当。料理教室の勤務経験もあり、食事療法はもちろん、調理の提案も得意。
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一口スイートポテト

 材料   (約20個分)   

焼き芋  (200g)※約1本分

牛乳   (50ml)

卵黄   (½個)

バター  (10g)

はちみつ (大さじ1)

米粉   (大さじ1)

卵黄   (½個)※塗り用

 作り方          

  1. 焼き芋は皮を剥き、ボウルに入れてフォークなどで潰す。

  2. ラップをかけ電子レンジで加熱する。(600W・1分)
    (焼き芋があったかい場合であれば加熱しなくても良い。)

  3. 温かいうちにバターを加え、混ぜる。

  4. その他の食材をすべて加え、ゴムベラ等で滑らかになるように潰しながら混ぜる。

  5. 一口大に丸めて成形し、表面に卵液を塗る。

  6. 170℃のオーブンで20分焼く。

 調理のポイント

  • スーパー等で売られている市販の焼き芋を使用することで、甘みが最大限に引き出された状態から調理することができます。またあらかじめ加熱されているので、加熱時間を短縮できるメリットがあります。甘すぎると感じる場合は、はちみつを加えずに調理してみてください。

  • さつまいもの繊維が気になるようであれば、ひと手間ですがザル等で濾しましょう。

 

 摂取できる栄養素         

素材

多く含まれている栄養素

さつまいも

・食物繊維

・ビタミンC

・ビタミンE

・カリウム

・糖質

  • さつまいもに含まれる栄養素
    さつまいもには芋類の中でも特に多くの食物繊維が含まれています。そのため、そのままの摂取では消化にやや負担がかかり、膨満感等を感じることがあります。
    水溶性・不溶性両方の食物繊維が含まれており、腸内環境を整え排便をコントロールしてくれる食品です。また、ビタミンC・ビタミンEも以外に多く含まれており、抗酸化作用が期待できます。
    芋類は糖質が中心で血糖値を上げやすい食材と言えますが、さつまいもは食物繊維も多く含むためGI値*1 は低くなります。GI値が低いほうが血糖値を上げるスピードが緩やかで乱高下しづらく、胃切除術後に心配なダンピング症候群*2 も引き起こしづらくなります。

GI値*1(グリセミック・インデックス)
食品を摂取した際の血糖値の変化スピードを数値で表したものです。

ダンピング症候群*2
食事中の糖質は分解されて単糖となり、単糖は小腸で吸収されて血液中に取り込まれます。血液中に糖が多くなった状態を「血糖値が上がる」と言いますが、これに反応して膵臓からインスリンが分泌されるため、血糖値は徐々に正常範囲に戻ります。
通常であれば、胃の中に食物を貯留して少しずつ小腸のほうへ運ぶため、急に腸へ大量の食物が流れ込むことはありません。したがって血糖値も緩やかに上がり下がりします。
胃切除術後の患者様は、この「胃に物を貯める」という機能が損なわれるため、腸に一気に食物が流れ込み、血糖値が乱高下することとなります。
血糖変動では何かしらの自覚症状が現れることが多く、ひどい場合には昏睡などにも繋がる、危険性の高い合併症です。
ダンピング症候群には以下2回のタイミングがあります。
早期ダンピング症候群(食後30分頃):食べ物が腸に流入することで起きる高血糖による症状です。吐き気・嘔吐・動悸・冷や汗等が挙げられます。
後期ダンピング症候群(食後2〜3時間頃):上がった血糖値を下げようとする身体の反応により、低血糖を起こすことによる症状です。冷や汗・倦怠感・脱力感・手足の震え・めまい等が挙げられます。

 

まとめ

食事は、ただ栄養をとるだけの行為ではなく、「生きること」そのものにつながる大切な時間です。手術後の身体はこれまでと同じように食事を受け入れてくれないこともあり、戸惑うことも多いかと思います。

今回ご紹介したレシピは、胃がん手術後の身体にも優しく、それでいて少しでも「食べる喜び」を感じてもらえるように考えられたものです。調理の手間や食べやすさ、ご本人の好みに寄り添いながら、日々の食卓が穏やかな時間になる一助となれば幸いです。

 

【参考文献】

辻村卓他 (2003) 野菜のビタミンとミネラル.p.74-75. 女子栄養大学出版部

 

栄養素と働き(一覧)

※「栄養素と働き」の一覧表は、ページ最下部よりダウンロードいただけます。必要に応じてご活用ください。

栄養素働き備考
六大栄養素五大栄養素三大栄養素糖質・エネルギー源となるブドウ糖にまで分解され小腸で吸収
たんぱく質動物性たんぱく質・エネルギー源となる動物由来/必須アミノ酸が豊富
植物性たんぱく質植物由来/消化吸収が緩やか
脂質

脂肪酸

飽和脂肪酸・エネルギー源となるコレステロールを上げる
不飽和脂肪酸オレイン酸

・エネルギー源となる

・コレステロール低下作用

・動脈硬化、心疾患リスクを減らす

一価不飽和脂肪酸
リノール酸n-6系多価不飽和脂肪酸
DHAn-3系多価不飽和脂肪酸
EPA
ミネラルカリウム

・Na排出

・筋肉、神経の働きの正常化"

 
カルシウム

・骨を作る、強化

・ホルモン、消化液の分泌促進 他

 
亜鉛

・味覚維持

・たんぱく質合成

・成長促進

・免疫機能維持 他

 
鉄分

・貧血予防(ヘモグロビン構成)

・酵素の活性化

 

・貧血予防(ヘモグロビン構成)

・酵素の活性化

 
ヨウ素

・代謝亢進

・成長促進

・甲状腺ホルモンの生成

 
ビタミン・前駆体ビタミンB1・糖質代謝の促進 
ビタミンB2・3大栄養素代謝の促進別名:リボフラビン
ビタミンB3・3大栄養素代謝の促進別名:ナイアシン
ビタミンB6

・たんぱく質代謝の促進

・筋肉、血液の生成補助

 
ビタミンB12・血液の生成補助 
ビタミンC

・鉄分吸収促進

・コラーゲン生成促進

・免疫力向上

・抗酸化作用

 
ビタミンD

・カルシウム

・リンの吸収促進

・骨を作る、維持

 
ビタミンE・抗酸化作用 
ビタミンK

・血液凝固作用

・骨代謝の強化

 
βカロテン

・体内でビタミンAに変換

・皮膚粘膜の維持

・視力維持

 
  食物繊維

・腸内環境改善

・維持

・排便コントロール

・血糖値コントロール

・コレステロール排出 他

 
消化酵素プロテアーゼ・たんぱく質分解 
アミラーゼ・糖質分解 
リパーゼ・脂質分解 
ジアスターゼ・糖質分解 
有機化合物イソチオシアネート

・抗酸化作用

・消化促進

・抗菌作用

辛味成分
大豆イソフラボン

・骨を破壊する細胞を抑制する

・骨を作る機能の促進

エストロゲン様物質
ショウガオール・消化管の血行促進 
ジンゲロール 
セサミン・抗酸化作用 
タウリン

・胆汁酸合成促進

・心機能維持

・エネルギー産生補助 他

 
クエン酸

・乳酸の分解を補助

 ・カルシウム、鉄の吸収促進

・血行促進

・消化促進 他

 

 

 

管理栄養士 水澤聖子=監修
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【参考資料】