遺伝性大腸がん、あなたも影響を受ける?
遺伝カウンセリング
genetic counseling
遺伝カウンセリングとは、遺伝に関する病気の悩みや不安について、専門家と対話をする場所です。単に検査を勧めるのではなく、
正確な情報提供や心理的なサポートを通じて、ご自身やご家族が納得して今後のことを決められるよう支援をするために行われます。
一般的に、遺伝カウンセリングは「検査前」と「検査後」に分けて行われ、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーといった専門家が行います。
※がんに関する相談先につきましてはこちらをご覧ください。
家族歴の聴取
親、兄弟姉妹、祖父母など三世代くらいのご家族の病歴を伺い、「家系図」を作成し遺伝リスクを客観的に評価します。情報提供
関連する病気や遺伝の仕組みについて説明があります。遺伝子検査の説明
検査で「わかること」と「わからないこと」
検査のメリット(今後の健康管理に役立つことなど)
検査のデメリット(精神的な負担、家族への影響、保険加入や就職への潜在的な影響などについて)意思決定のサポート
上記の情報をすべて踏まえた上で、「本当に遺伝子検査を受けるか、受けないか」を相談者自身が決められるようにサポートしていきます。
遺伝子検査の検査結果が出た後、改めて専門家から詳しい説明を受けます。
結果の説明
陽性(病気の原因となる遺伝子変異あり)、陰性(変異なし)、または「VUS(判断ができない結果)(※1)」など、検査結果が詳しく説明されます。今後の対策の相談
結果に応じて、今後どのような検査をいつから受けるべきか、具体的な健康管理計画を一緒に立てていきます。血縁者への対応
検査結果を家族にどう伝えるかなど、デリケートな問題についても相談ができます。心理的サポート
結果を知ったことによる不安や悩みに寄り添い、継続的なサポートを行っていきます。
※1:VUS(判断ができない結果)
陽性でも陰性でもない、現時点では病気との関連がはっきりしない「グレーゾーンの変異」のことを言います。判断が難しい結果が出る場合もあり、このような結果についても丁寧に説明をしてもらえます。
大腸内視鏡検査
(大腸カメラ)
colonoscopy
遺伝カウンセリングで遺伝子検査の血液検査が検討された場合、血液検査を行う前に、「すでに大腸がんを発症している血縁者」がいるときは、その方自身が大腸内視鏡検査と遺伝子検査を受けられるかどうかをまず検討します。
これは発症者の方で原因となる遺伝子変異が見つかれば、まだ発症していないご家族は、将来その特定の遺伝子変異の有無だけを調べればよくなるからです。これにより、未発症のご家族の心身や費用にかかる負担を大幅に減らすことができます。ただし、大腸がん発症経験のある血縁者にとっても負担のかかる検査となる為、慎重な検討が必要です。
遺伝性大腸がんの代表である「家族性大腸腺腫症(FAP)」と「リンチ症候群」とでは、大腸の中の様子が全く異なるため、内視鏡で大腸の中を観察することで、どちらの疾患が疑わしいかをある程度推測します。
【家族性大腸腺腫症(FAP)かリンチ症候群か大腸の中の違いを調べる】
家族性大腸腺腫症(FAP) | リンチ症候群 |
大腸全体に100個以上のポリープがびっしりある | ポリープは少ないか、ほとんどないのに、がんができている |
遺伝性大腸がんのタイプが推測できると、次に調べるべき遺伝子の候補を絞り込みます。
【家族性大腸腺腫症(FAP)・リンチ症候群が疑われる遺伝子の候補】
家族性大腸腺腫症(FAP) | リンチ症候群 |
がん抑制遺伝子である「APC遺伝子」の絞り込みを行う | DNAの修復に関わる「ミスマッチ修復遺伝子群(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2など)の遺伝子候補の絞り込みを行う |
遺伝子検査は、やみくもにすべての遺伝子を調べると高額で時間もかかります。内視鏡検査で得た情報をもとに、検査の戦略を立てることで、より効率的で的確な診断につなげることができます。
大腸内視鏡検査の際に、がんやポリープの組織を一部採取し、顕微鏡で詳しく調べる「病理検査」を行います。特にリンチ症候群が疑われる場合、この病理検査で「MSI(マイクロサテライト不安定性)検査」や「免疫染色」といった特殊な検査を追加することがあります。
この検査で異常が見つかれば、リンチ症候群の可能性がさらに高まり、遺伝子検査に進むべきかどうかの判断材料となります。リンチ症候群であることが分かると、万が一進行がんになった場合でも、一部の治療薬が効果を発揮しやすい可能性があるという、治療上のメリットにも繋がります。
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遺伝子検査(血液検査)

