家族で看取る「穏やかな最期」 Peaceful end-of-life care" with family members
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07/23 (木) 07:32更新

こんな便には気を付けて 大腸がんを疑うサイン

Beware of these stools: Signs that may indicate colon cancer.
医師 岡本彩那
大学3次救命センターや他大学消化器内科勤務を経て、現在は市中病院の消化器内科に所属。専門は胆膵。医療記事の執筆経験もあり、患者さんに寄り添った診療を大切にしている。
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進行すると現れる便のサイン

大腸がんの初期段階では症状が現れにくい一方で、がんが進行して拡大したり、周囲に広がると出血が起こったり、便の形成や通過に明らかな影響が出始め、様々な「便のサイン」として自覚されるようになります。

進行した大腸がんで見られる便の変化には、以下のようなものがあります。

 

血便
(血液混じりの便、もしくは血液そのものの便)

Bloody stool
 (stool mixed with blood, or stool containing blood)

 

鮮血便

鮮やかな赤い血が付着(下痢などの場合は混入することも)しています。

主に肛門や直腸など、出口に近い部位からの出血が疑われます。具体的には直腸がんや痔核(少量の出血)からの出血などが挙げられます。
 

【☝岡本先生のワンポイントアドバイス】

鮮血便について:

鮮やかな赤い色の便の場合は通常出血してから肛門の外に出てくるまで時間がたっていない証拠とされます。逆に言うと、奥からの出血でも時間が経っていない状態で外に出てくれば鮮血便となります。出血が多すぎる、続いている場合などは、すぐに肛門から出てくることもあり、鮮血便となるケースがあります。


赤黒い便(暗赤色便)

レンガ色のような赤黒い色や、暗い赤色の血液が便に混じった状態の便を指します。

主に小腸や大腸の中でも肛門からやや遠い部分(上行結腸、横行結腸など)からの出血を示唆します。肛門から出てくるまでに時間が経ってしまい、時間経過とともに酸化し赤黒くなってしまった状態の便です。鮮血として排出されるほど肛門に近くない部位での出血であることが多く、大腸がんや大腸憩室出血、虚血性腸炎などが原因として考えられます。
 

黒色便(タール便)

真っ黒な色の便、黒く粘り気がありコールタールのような光沢を持つ便を指します。

これは、食道、胃、十二指腸といった上部消化管からの出血により起こります。血液中のヘモグロビンが胃酸によって酸化され、黒いヘマチンという物質に変化するために黒くなります。

ただし、鉄剤を服用している場合も便が黒くなることがあります。原因がはっきりしない黒色便は、速やかな検査が必要と言われています。

※似ているけれど違う暗赤便と黒色便(タール便)の違い

  • 黒色便(タール便)は、食道~十二指腸で起こる上部消化管出血を示唆します。胃や胃に近いところで出血した血液が胃酸により黒くなり、便として出てくるため、やや粘り気のあるようなほぼ黒色に近い便となります。
    一方暗赤便は、長時間腸の中にいることで血便が黒くなってしまい、それが血便として出てくることがありますが、これは黒色便(タール便)ではありません。黒味が強いものではありますが、真っ黒ではなく暗赤便といい、黒色便(タール便)と暗赤便は黒っぽい便と似た特徴がありますが、出血した臓器の箇所が異なり種類の違う便となるため、注意が必要です。


粘血便

がん細胞が粘液を作り出し、血液と粘液(ネバネバした透明または白色の分泌物)が混ざった便(粘血便)として排出されることがあります。

これは、炎症性腸疾患など他の病気でも見られますが、大腸がんのサインの一つとも言われています。
 

その他の注意すべき便の色(灰白色便)

便が茶色い原因は肝臓から作られる胆汁(の中に含まれるビリルビン)によるものです。そのため、その胆汁が腸に出てこなくなると便の色がつかず、白っぽい便となります。これは様々な原因で起こり得ますが、その中には胆管がんや膵臓がんなど重篤な病気も隠れています。そうでなくとも胆道(※1)閉塞が起こっている場合は重症感染症など重篤な病気を引き起こすこともあります。このような便を見た場合はすぐに病院を受診しましょう。
 

※1:胆道
肝臓からの消化液(胆汁)を十二指腸に流す道筋、管


 

【☝岡本先生のワンポイントアドバイス】

がんの細胞はもろく出血しやすいため、便が通過する刺激などで安易に出血します。そうすると、血液の混じった便になります。便の中の水分を吸収する過程で出血が混じると便の中に血液が混じりこみ、赤い、もしくは暗い赤い色を呈することがあります。
便の表面に少し血液が付着している場合や、トイレットペーパーに血液が少しついているだけの場合は痔の可能性がありますが、それ以外の可能性もあります。逆にある程度の量の出血がある場合は大腸がんや他の疾患による出血も疑われます。
痔の出血との見分けが難しいこともありますが、持続する場合や量が多い場合は特に注意が必要です。

 

どこで出血したかで色や見た目も変わってくる

  • 直腸など、肛門に近いところからの出血だと、真っ赤な血として出てくることがあります。逆に腸の中でも奥からの出血だと、出血があってから便として出てくるまでしばらく時間がかかるので、その間に少し黒くなり、「赤黒い血便、暗い赤の便(暗赤色)となります。
    また、便の水分が吸収された後に出血があると、便に混ざり込むのではなく、便と別に血液が出た、便についてきたなどの状態になることが多いでしょう。
    とくに痔核からの出血だと、固形になって出てくる便に付着した赤い血、となることが多いのです。この場合は「便の表面に少し血液が付着している場合やトイレットペーパーに血液が少しついているだけ」などの状態になることが多いでしょう。ただし、他の病気であることも0ではないため、自己判断せずに病院を受診するようにしましょう」

 

痔の出血とそうでない場合の見分けポイント

  • 痔核からの出血であればそこまで量が多くない場合がほとんどです。そのため、排便後に「ポタポタ」落ちるだけ、「トイレットペーパーに付着する程度」などの表現では痔核を疑います。逆に血液が「ドバっと」出たなどの状態であれば何等かの病気で出血が起こっていることをまず考えますので、特に注意が必要です。ただし、少量の出血であったとしても痔核以外の病気である場合もあるので、詳しく診察したり検査を行います。

 

【次ページ】

便が細くなる(便柱狭小化、便の細小化)

医師 岡本彩那=監修
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