大腸がん患者のための化学療法
XELOX療法
XELOX regimen
FOLFOX療法と同等の効果が期待できるもう一つの標準治療(レジメン)となり、FOLFOX療法では点滴薬の「5-FU」を使用しますが、XELOX療法では飲み薬の「カペシタビン」を使用することで患者さんの通院負担を大幅に軽減できることが最大のメリットとなります。
【使用される薬剤】
・カペシタビン:飲み薬の細胞障害性抗がん剤
・オキサリプラチン:点滴の細胞障害性抗がん剤
【治療法】
治療は3週間を1サイクルとし、1日目にオキサリプラチンを点滴し、1日目から14日目まで朝晩2回カペシタビンを内服し、その後7日間は全ての薬の服用を休む(休薬期間)というスケジュールを繰り返します。
【副作用】
FOLFOX療法と同様の末梢神経障害の副作用に加え、「手足症候群」という手や足の裏の皮膚が赤くなり痛んだり、皮がむけたりする症状が現れ、保湿ケアなどの対策が必要となります。下痢などの消化器症状も注意が必要です。

【田中先生からのアドバイス】
大腸がんの化学療法は、がんの進行度(ステージ)や再発リスクによって内容が異なります。手術で取りきれる場合(ステージⅡ〜Ⅲ)でも、再発の可能性が高いと判断されたときには、手術後に再発を防ぐための抗がん薬治療(補助化学療法)が行われます。
代表的な治療としては、前述のXELOX療法(点滴+内服薬)やFOLFOX、FOLFIRI療法(点滴中心)などがあります。期間はおおよそ3〜6か月です。進行・再発の大腸がん(ステージⅣ)では、抗がん薬(XELOXやFOLFOX 、FOLFIRIなど)に分子標的薬(ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブなど)を組み合わせる治療が標準的に行われます。また、近年では、がんの遺伝子の特徴(MSI-HやTMB-Hと呼ばれるタイプ)を調べて、
その結果によっては免疫チェックポイント阻害薬(ペンブロリズマブなど)を単独で使う治療が選ばれる場合もあります。これらの治療は、患者さんの全身状態や生活背景に合わせて、「内服中心(XELOXなど)」や「点滴中心(FOLFOX、FOLFIRIなど)」といった治療方法が選ばれます。内服薬は2週間服薬・1週間休薬といったサイクルで続ける必要があるため、しっかり服薬を続けられることも大切です。
一方、点滴中心の治療は入院や通院で短期間に投与が終わるため予定を立てやすい反面、体への負担がやや大きくなります。治療の種類や組み合わせは、がんの性質と体調に合わせて主治医と相談しながら決めていきます。
化学療法で使われる主な薬剤の種類
化学療法で使われる薬剤(抗がん剤)は、がん細胞へのアプローチ方法によって、「細胞障害性抗がん剤」「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害薬」の3つの種類にわけられ、がんの性質や遺伝子の特徴、そして患者さんの体の状態によって単独または複数組み合わせて使用していきます。
この章では、それぞれの薬剤(抗がん剤)の特徴を詳しく説明していきます。
細胞障害性抗がん剤
cytotoxic anticancer agent
数十年前からがん治療の中心として使われてきた歴史のある薬剤です。
細胞障害性抗がん剤は、がん細胞の活発な分裂の仕組みに直接作用し、DNAの合成を阻害したり、細胞分裂そのものを止めることでがん細胞を攻撃します。
しかし、私たちの体の中で分裂が活発な正常細胞にも影響を与えてしまうため、血液を作る骨髄の細胞、口や腸の粘膜、髪の毛を作る毛根の細胞も攻撃されることで吐き気や食欲不振、口内炎、白血球の減少により感染しやすくなる、脱毛といった副作用が出やすい特徴があります。
【代表的な薬剤】
「5-FU(フルオロウラシル)」
※大腸がん治療における絶対的な基本薬「カペシタビン」
※5-FU(フルオロウラシル)の飲み薬「オキサリプラチン」
「イリノテカン」
「S-1(ティーエスワン)」
※日本で開発された飲み薬「トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠(ロンサーフ)」
※他の標準治療が効かなくなった後に使われることが多い飲み薬
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分子標的薬

