肺がんの検査とは
その他の検査
肺がんの診断や治療方針の決定には、画像や内視鏡検査だけでなく、血液や遺伝子に関する情報も活用されます。個別化医療が進む中で、これらの検査の役割はますます大きくなっています。
腫瘍マーカー検査
Tumor marker test
自己負担費用の目安(3割負担の場合):約2,000~5,000円
※血液検査、項目数で変動
腫瘍マーカー検査は、血液中に含まれるがん特有の物質(マーカー)を調べることで、肺がんの存在や再発の兆候を把握する検査です。
代表的な肺がんの腫瘍マーカーには、CEA(がん胎児性抗原)、CYFRA、ProGRPなどがあります。ただし、これらのマーカーは肺がん以外でも上昇することがあり、単独では診断に使われません。経過観察や治療効果の判断に有用です。
遺伝子検査
Genetic testing
自己負担費用の目安(3割負担の場合):約20,000~50,000円
※検査内容・項目数で変動
肺がんの遺伝子検査では、がん細胞に特定の遺伝子変異があるかを調べます。これにより、効果が期待できる分子標的薬*4の選択が可能になり、より個別化された治療が行えます。
検査は採取した組織や血液から行われ、結果が出るまでに1~2週間程度かかるのが一般的です。治療選択の幅を広げる重要な検査です。
分子標的薬*4
がん細胞の特定の異常な遺伝子やタンパク質だけにピンポイントで働きかける薬
肺がん検査前に確認しておきたいこと
肺がん検査を受ける際は、検査の目的や内容、費用、保険の適用範囲などについて事前に理解しておくことが大切です。下表に検査当日までに知っておきたい基本的なポイントをまとめました。ぜひご活用ください。
チェック項目 | 内容の確認ポイント | ☑欄 |
検査の流れと所要時間 | ・検査はどの順番で進む? ・1つの検査にどのくらい時間がかかる? | □ □ |
検査ごとの身体的負担や痛みの有無 | ・どの検査がつらい? ・痛みや息苦しさはある? | □ □ |
検査にかかる費用と保険適用の範囲 | ・自己負担額はいくら? ・保険や高額療養費制度は使える? | □ □ |
検査前の準備と注意点 (食事・服装など) | ・絶食は必要? ・どんな服装が望ましい? ・持ち物は? | □ □ □ |
検査後に気をつけること | ・検査後に安静が必要? ・注意すべき体調変化は? | □ □ |
ステージ分類と今後の診断・治療への影響 | ・検査結果でどんなことがわかる? ・治療方針との関係は? | □ □ |
セカンドオピニオンや相談先の活用 | ・不安なときの相談窓口は ・他の医師に相談できる? | □ □ |
検査前に確認しておきたい項目をまとめた上記チェックリストを、PDFでご用意しています。印刷して、検査当日までの準備や医師への確認にご活用ください。
まとめ
肺がん検査を受けることは、がんの有無を調べるだけでなく、ご自身の生活を見直すきっかけにもなります。
何も異常がなければ安心が得られますし、仮に何か見つかっても早期であればあるほど、治療の幅は広がり、その人らしい生活を送り続けることができます。
私が担当した患者さんで、検診の胸部X線検査で異常が見つかり、精密検査を経てステージ2の肺がんと診断された50代前半男性の患者さんがいらっしゃいました。
当初、担当医師より「肺がんの可能性がある」と聞き、仕事を辞めようかと真剣に悩んでおられました。実際にがんと確定診断された後に退職される方も多くいらっしゃいます。しかし、この方は検査によってがんの進行度が明らかになり、最適な治療方針がたてられたことで、「生活を変えることもないし、仕事も子供のために続けたい」とされ、結果として家族のサポートを受けながら仕事も続け、生きがいを失わずにすみました。
私たち呼吸療法認定士も、肺がんと診断された直後から、治療に向けた呼吸トレーニングや筋力・体力を維持させるプログラムを指導し、可能な限り自立した日常生活が送れるようにサポートしていきました。
がんの治療にはご本人、ご家族ともに体力や気力を要します。診断前後で変わらない生活を維持するためには、検査直後から治療に向けての医療者・家族のサポートが重要です。
また、正確な情報を得ることで、自分らしい治療や生活の選択にもつながります。本記事が、肺がん検査を受けるきっかけとなりましたら幸いです。
※本記事内で記載している「自己負担費用の目安」は、2025年7月時点の情報です。

