家族で看取る「穏やかな最期」 Peaceful end-of-life care" with family members
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06/30 (火) 09:57更新

大腸がんの進行速度について知っておきたいこと

Things you should know about the progression rate of colorectal cancer
医師 喜田凛
卒後20年目の医師、初期・後期臨床研修後、各地で研鑽を積んだ後、現在は某地方病院消化器内科部長を務めている。消化器疾患・消化管内視鏡分野の診断・治療を担当し、日々患者さんの病に一緒に立ち向かっています。
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ステージⅢ

Stage III

ステージⅢの大腸がんは、大腸のがんが周囲のリンパ節まで転移している状態を指します。多くの場合、根治切除(手術)と術後補助化学療法を組み合わせた積極的な治療が必要です。まだ他の臓器への遠隔転移はなく、適切な治療を行えば根治(治癒)や長期寛解が十分に期待できる段階です。

[ステージⅢ 大腸がん]

進行速度

・診断後は速やかに適切な治療を開始する必要があります。

・進行速度は、がん細胞の悪性度(顔つきの悪さ)、増殖の速さ、遺伝子の変異などによって大きく異なります。

特徴

・リンパ節へ転移している段階で、遠隔転移(他の臓器への転移)はありません。

転移しているリンパ節の個数や場所によって、さらに細かくステージが分類されます。

ステージⅢA

・ステージの中でもがんの深さが比較的浅めで、転移しているリンパ節の個数が少ない場合。

ステージⅢB

・がんの深さが深い、または転移リンパ節の個数が多い場合。

ステージⅢC

・がんの深さがより深く、転移リンパ節の個数がさらに多い場合。

自覚症状

ステージよりもさらに自覚症状が現れやすくなる傾向があります。

血便・下血

・便に血が混じる(鮮血、暗赤色、黒っぽい便など)出血が持続し、量が増えることもあります。

・便潜血検査はほぼ確実に陽性となります。

便通の変化

・便秘と下痢を繰り返す、またはどちらかが頑固に続く。

・便が細くなる(鉛筆状の便)

・残便感(便が出きらない感じ)が強く残る。

・排便回数の変化。

腹痛・腹部膨満感

・お腹の特定の場所が痛む(鈍痛、しくしくとした痛み、差し込むような痛み)

・お腹が張る感じが続く。

・がんが大きくなり腸管を塞ぎかけると、強い腹痛や嘔吐を伴う腸閉塞(イレウス)を起こすことがあります。これは緊急で治療が必要な状態です。

貧血症状

・がんからの慢性的な出血により、貧血が進行します。

・めまい、ふらつき、動悸、息切れ、顔面蒼白、易疲労感(疲れやすさ)などが現れます。

体重減少

・特に食事制限をしていないのに、理由なく体重が減り続ける。食欲不振を伴うこともあります。

腹部のしこり

・お腹を触ったときに、硬いしこりとして感じられることがあります。

全身倦怠感

・なんとなく体がだるい、元気が出ない状態が続く。

 

ステージⅣ

Stage IV

ステージⅣの大腸がんは、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って、大腸から離れた他の臓器に広がっている(遠隔転移)段階です。最も進行した病期であり、治療は複雑になります。

根治が難しい場合が多いものの、転移巣が限られ外科的に切除できる場合や、全身治療が*奏効(そうこう)した場合には長期生存や寛解が得られることもあります。近年は化学療法や分子標的薬、免疫療法などの進歩により、以前よりも生存期間の延長やQOL(生活の質)の維持が期待できるようになっています。

*奏功とは薬や治療などが期待通りの効果を現すことを意味します

[ステージⅣ 大腸がん]

進行速度

がん細胞が全身に広がっている段階です。

がん細胞は活発に増殖し、新たな転移巣をつくることがあります。

・進行速度は、がん細胞の種類や悪性度、遺伝子変異の有無、転移している臓器や個数で大きく異なります。適切な治療を行うことで、がんの進行を遅らせたり、一時的に縮小させたりすることが期待できますが、がんが治療に対して耐性を獲得し、再び勢いを増すこともあります。

特徴

・転移巣(てんいそう)があるかないかでステージかが決まります。

・肝臓や、肺、腹膜などに転移しやすいと考えられますが、他のどこに転移してもおかしくない状態です。

・転移している場所や数、がんの性質、そして何よりも患者さんご自身の体力や希望を加味して、治療方針は慎重に決められていきます。

自覚症状

ステージまでと同様の症状がより強く現れることがあります。

《転移巣による症状》

肝転移 
初期は無症状が多い。
進行すると腹痛(右上腹部)、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、体重減少、倦怠感。

肺転移
初期は無症状が多い。
進行すると持続する咳、血痰、胸の痛み、息切れ、呼吸困難。

腹膜播種
腹水によるお腹の張り、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、腸閉塞。

骨転移
転移した部分の痛み(特に安静時や夜間の痛み)、骨折(病的骨折)、高カルシウム血症による意識障害など。

脳転移
頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、手足の麻痺、けいれん、言語障害、意識障害など。

《全身症状》

体重減少
著しい体重減少、食欲不振.

貧血
慢性的・進行性の貧血。めまい、息切れ、倦怠感。

悪液質(あくえきしつ)
がんが進行し、体が極度に衰弱した状態。強い倦怠感、食欲不振、体重減少、筋肉量の低下など。

発熱
原因不明の微熱が続くことがあります。

ステージⅣの大腸がんの治療は、がんの進行をコントロールし、症状を緩和し、QOL(生活の質)を維持・向上させることを主な目的におこないます。

 

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治療の効果を高めるためにできること

医師 喜田凛=監修