家族で看取る「穏やかな最期」 Peaceful end-of-life care" with family members
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08/25 (火) 08:14更新

肺がんの基礎知識

Basic Information on Lung Cancer
医師 小林 惇平
初期研修ののち、総合病院で総合内科・呼吸器内科として修練を積んだ。専門医取得後は、リハビリや高齢者救急、緩和医療、在宅医療に従事し、幅広く対応できる医師を目指して修練を続けている。
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肺がんの主な原因

肺がんは「喫煙」や「遺伝的要因」だけでなく、環境や体質などさまざまな要素が重なって発症することもあります。この章では、肺がんの主な原因についてわかりやすく解説していきます。

喫煙と受動喫煙

Smoking and Secondhand Smoke

肺がんの原因としてよく知られているのが「喫煙」です。

たばこの煙には、発がん性物質が60種類以上含まれており、長期間の喫煙により肺の細胞に慢性的なダメージが蓄積され、がん化のリスクが高まります。

特に小細胞肺がんや扁平上皮へんぺいじょうひがんの患者では喫煙歴がある方が多いと言われています。

また、「受動喫煙」による影響も無視できません。家庭や職場などで他人のたばこの煙を日常的に吸い込んでいた場合、非喫煙者であっても肺がんの発症リスクは高まります。

特に女性は、受動喫煙の影響を受けやすいとされており、社会全体の問題としても注目されています。

遺伝的要因や家族歴

Genetic factors and family history

肺がんの原因には、遺伝的な体質や家族歴が関係している場合もあります。家族に肺がんを経験した人がいる場合、自分自身も肺がんになるリスクがわずかに高くなることが研究より明らかになっています。

これは、がんに対する体の防御反応や細胞修復能力などが遺伝的に影響を受けるためと考えられています。

しかし、「家族にがん患者がいたからといって必ず自分もなる」というわけではありません。あくまでもリスクのひとつであり、発症には環境要因や生活習慣など複数の要素が重なって影響します。

環境要因

Environmental factors

肺がんの発症には、周囲の「環境」も深く関係しています。たとえば、大気汚染やアスベスト(石綿)、工場や建設現場などで発生する粉じんなど、有害な物質を長期間吸い込むことで肺に影響を与えることが知られています。

また、都市部の生活では、車の排ガスに含まれる微小粒子状物質(PM2.5)などもリスクのひとつとされています。職業によっては、塵や煙を吸い込む機会が多く、知らず知らずのうちに肺への負担が積み重なっていたことも考えられます。

こうした環境要因は、自分の意志で完全に避けることが難しい場合も多く、「知らないうちに肺がんの原因が蓄積されていた」という方も少なくありません。


その他の要因

Other factors

肺がんの発症には、喫煙や遺伝、環境以外にもいくつかの「その他の要因」が関係していると考えられています。その一つが「高齢」であり、年齢を重ねることで細胞の修復能力が衰え、がんが発生しやすくなるといわれています。

また、慢性的な肺疾患(COPDなど)を持っている方は、肺の炎症が続くことでがんのリスクが高まることがあります。さらに、ホルモンや免疫機能、食生活の乱れ、運動不足など、生活全般の要素が少しずつ影響を与えるとも指摘されています。

 

肺がんの種類と特徴

肺がんとひとことで言っても、その種類や性質はさまざまです。この章では、肺がんの主な種類や特徴をわかりやすく整理し、それぞれの違いや進行のしかた、治療への向き合い方について解説していきます。
 

 

原発性肺がんと
転移性肺がんの違い

The Difference Between Primary Lung Cancer 
and Metastatic Lung Cancer


肺がんは大きく「原発性肺がん」と「転移性肺がん」の2つに分けられます。

  • 原発性肺がん
    肺そのものに最初にがんが発生した場合を指します。一般的に「肺がん」といわれる場合はこちらを指すことが多く、「非小細胞肺がん」や「小細胞肺がん」もこの分類に含まれます。

  • 転移性肺がん
    他の臓器にできたがん(たとえば乳がん、大腸がんなど)が血液やリンパの流れに乗って肺に転移してきた状態です。この場合、肺にがん細胞があっても「肺がん」ではなく、元のがん(原発がん)の性質に基づいて治療が行われます。


原発性か転移性かによって、使用する薬、治療の目的、予後の見通しが異なるため、この違いはとても重要です。

 

 非小細胞肺がんと
小細胞肺がんの違い

The Difference Between Non-Small Cell Lung Cancer
 and Small Cell Lung Cancer


前述したとおり、原発性肺がんは、がん細胞の種類によって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分類され、それぞれ特徴や治療方針が異なります。
それぞれの違いについて簡単に下表にまとめました。

 

非小細胞肺がん

小細胞肺がん

割合

肺がん全体の約8〜9割肺がん全体の約1〜2割

進行速度

比較的ゆっくり非常に速い

主な発生部位

・肺の外側(腺がん)
・気管支近く(扁平上皮がん)
気管支の中心部付近

主な種類

・腺がん
・扁平上皮がん
・大細胞がん
小細胞肺がんに関しては、種類わけはありません

治療法

早期であれば手術で根治を目指す。進行すれば、がん細胞の種類に応じた抗がん剤や、放射線治療を組み合わせる。化学療法や放射線治療による治療が中心だが、早期なら手術による根治を目指すこともある。

特徴

比較的治療の選択肢が多く、生活の質の維持が期待できる進行が速いが、治療で症状が緩和されることもある

 

「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」のこうした違いを理解し、医師としっかり相談しながら、納得のいく治療方針を見つけていきましょう。

 

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肺がんの症状

医師 小林 惇平=監修
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