肺がんの基礎知識
「そもそも肺がんとはどんな病気?」「治る可能性はあるの?」――そんな疑問を抱えて、このページにたどり着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、肺がんに関する基礎知識を、医療に詳しくない方にもわかりやすいようにお伝えしています。まずは発症しやすい年代や性別、肺の構造、原因として知られる喫煙や遺伝、そして非小細胞肺がん・小細胞肺がんといった種類ごとの特徴まで順に解説していきます。病気への理解が心の準備を整え、肺がん患者さんご本人やそのご家族に寄り添う一助となれば幸いです。
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肺がんの発症状況と統計データ
下のグラフは、年齢階級別に肺がんの罹患率(人口10万人あたり)を男女別で示したものです。肺がんの罹患率は、男女とも年齢が上がるにつれて高くなる傾向があります。特に50歳代以降で上昇し、男性では60歳代から急激に増加しています。75歳以上では男性の罹患率が女性を大きく上回り、90歳代では男性がさらに高くなっています。
一方、女性も年齢とともに増加しますが、男性に比べると上昇は緩やかです。肺がんは、特に高齢になるほど罹患率が高くなることがわかります。
肺がんの予防や早期発見の重要性を理解するうえで、年代別・性別の発症傾向を知ることは非常に大切です。

厚生労働省 2023年公表データを元にLifeStar運営チームにて作成
肺がんとは
この章では、肺の構造と肺がんという病気について基礎から解説していきます。
肺の構造と役割
The Structure and Function of the Lungs
肺は、胸の中に左右一対あり、私たちが生きるために欠かせない「呼吸」を担う重要な臓器です。鼻や口から吸い込んだ空気は、気管を通って左右の気管支に分かれ、それぞれの肺に送られます。肺の内部には「肺胞」という小さな袋が無数に広がっており、ここで酸素と二酸化炭素の交換が行われています。新鮮な酸素は肺胞から血液に取り込まれ、全身へと運ばれていきます。
また、肺はやわらかくスポンジのような構造をしており、外側は「胸膜」という薄い膜で包まれています。呼吸のたびに肺がふくらんだり縮んだりすることで、私たちは無意識に空気を取り込み、生命を維持しています。
肺がんとはどんな病気
What is lung cancer?
肺がんとは、肺の細胞が何らかの原因で異常な増殖を始め、周囲の組織を破壊したり、他の臓器へ転移したりする病気です。
大きな分類として「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」の2つに分けられ、進行の速さや治療法が異なります。
初期の段階では症状が出にくく、がんがある程度進行してから咳、息切れ、血痰、体重減少などの症状が現れることが多いため、早期発見が難しいのも特徴です。
また、肺は他の臓器と比べても血流が多く、がん細胞が全身に広がりやすいため、治療の選択や生活の見通しを立てる際に慎重な判断が求められます。

小林先生のひとこと
私達の外来には大きく2パターンの肺がん患者さんが来られます。
1つ目は健康診断や、別の目的で撮った画像検査で肺に異常が見つかった方で、多くの場合は早期の肺がんとして対応できます。
2つ目は咳が数か月続く、血痰がでるなどの症状で来院される方です。こちらの方は病気が進行していることが多く、治療に難渋することが多いです。がん治療は健診での早期発見が重要だと常々感じています。
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肺がんの主な原因

