終末期に起こる「せん妄」とうまく向き合う方法[後編]
せん妄のときに家族ができること
終末期に近づくと、患者さんの体だけでなく、心や言動にも変化が出てくることがあります。
とくに「せん妄」という状態になると、いつもと違う様子に、家族としてとてもびっくりして、悲しくなってしまう事もあるでしょう。
ここでは、家族としてどう向き合えばいいのか、そして少しでも心がラクになるヒントについてお伝えします。
家族の混乱と戸惑い
Family members’ confusion and uncertainty
「なにが起きているの?」を感じたとき
「自分のこと忘れてしまったかな?」
「なんで急に怒っているの?」
と、戸惑いや不安でいっぱいになることもあると思います。
しかし、これはあなたを忘れたわけではありません。脳が一時的にうまく働かなくなっているだけの状態です。
それは、体の状態や薬、環境などの影響で起きています。「本当の性格が変わったわけではない」ということを是非覚えておいて頂きたいと思います。
家族にもできる接し方の具体例
Specific examples of practical ways family members
can interact and provide care
家族だからこそできることがあります。
驚いたり否定したりしない
例えば、「ここはどこ?」「今は夜でしょう?」と急に言われても、「そんなこと言わないで」「おかしいよ」などと否定しないことが上手に対応するコツです。つじつまの合わなさを指摘すると気持ちや誇りを傷つけることがあります。同調しながら、安心させてあげましょう。
落ち着いて、優しく話す
せん妄のときは、声のトーンや表情がとても大切です。大きな声や、強い口調は、本人をさらに不安にさせることがあります。理解が出来なくても感情は伝わります。やわらかい声で話しかけてください。
日付や時間を入れながら話す

「お父さん、今はお昼だよ、そろそろご飯の時間よ」「今日は何日になったよ」「今〇時、あと2時間でいつものTVが始まるよ」などと会話の中に日時を入れることで、本人の混乱や戸惑いがおさまることがあります。
本人の言いたいことを汲み取る
「いつもの、あれの事だ」と言われてスタッフが戸惑っているところでも、ご家族なら「あれ」が何か想像ついたり、ピンときたりすることがあります。医療スタッフにもともと遠慮がちで、言いたいことを我慢している方もいます。意識が悪くなってきて、十分にケアの希望が伝えられない方もいます。本人の代わりに医療スタッフと話しあい、本人の希望することを想像して代弁するのも、ご家族にしかできないことです。
そばにいるだけでも意味がある
言葉がうまく届かなくても、「信頼している人がそばにいる」というだけで、安心感は大きく違います。手を握ってあげる、足のマッサージなどしてあげましょう。本人が目を閉じていても、「大事な人がそばにいる」と感じられます。
ご家族自身のケアをする、周りに頼る

ご家族が気を張って休まれていないような場面もたくさんあります。まずは、医療スタッフにまかせて十分な休みをとりましょう。本人の処置のことを相談され、本人の代わりに決めることが気持ちをつらくすることもあります。全て決めていただく必要はありません。スタッフと一緒に相談して一番よいとおもえるようにしていきましょう。
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