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06/30 (火) 07:18更新

前立腺がんの痛みの特徴とやわらげ方

~家族が知っておきたい症状とケアのポイント~
Characteristics of Prostate Cancer Pain and How to Relieve It: Symptoms and Care Tips Every Family Member Should Know
医師 広重佑
医学部卒業後、泌尿器科専門医・指導医として現在に至るまで病棟勤務経験が豊富。臨床経験を基にした研究実績多数も持ち、患者さんに寄り添った診療を大切にしている。
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前立腺がんによる痛みと特徴

前立腺がんが進行すると、痛みが現れることがあります。

特に骨への転移が起こると、腰や背中、骨盤、大腿骨に痛みを感じやすいのが特徴です。

さらに、神経を圧迫することによってしびれや歩行障害などの運動障害が生じたり、排尿・排便時に痛みを感じたりする場合もあります。これらの痛みは、がんそのものだけでなく、がんが増幅し周囲の神経や臓器への影響が原因となることもあります。

この章では、前立腺がんによる痛みの特徴をわかりやすく解説していきます。
 

安静時・夜間に強まる痛み 

Pain that worsens at rest or at night

前立腺がんによる痛みは、座位や夜間に強くなる傾向があります。

座っていると会陰部や骨盤への圧力が高まり、骨転移や神経圧迫の影響で痛みが悪化することが主な要因です。また、夜間は副交感神経が優位になるため、体の緊張が緩み、日中は紛れていた痛みが強く意識されるようになります。このため、夜中に痛みで目覚めてしまうことも珍しくありません。

こうした痛みの出方は、坐骨神経痛や椎間板ヘルニアによる痛みと似ているため、区別が難しいこともあります。しかし、前立腺がんに伴う痛みは、安静時にも続く持続的な痛みである点が特徴です

 前立腺周辺(会陰部)の痛み  

 特徴 

  • 前立腺周辺、特に会陰部(陰嚢と肛門の間)に現れる痛みは、鈍く重たい感覚や、持続的な圧迫感として感じられることが多いです。

  • 座っていると痛みが増す場合があり、無意識のうちに体勢を変えたくなるような不快感が続きます。

この痛みは、前立腺がんが局所進行し、神経や周辺組織を圧迫しているサインであることもあります。本人が痛みをうまく言葉にできない場合も多いため、周囲が表情や動作から変化を読み取り、早めに医療者に相談することが大切です。
 

 医師 広重先生のお役立ちコメント

前立腺周辺の疼痛は後に説明する排尿時・排便時の痛みや骨転移の痛みと比較すると、我慢できないほど強さではないことが多いようです。患者さんからも「痛み止めを飲むほどではないかな」と言われることも多くあります。とはいえ、日常生活にじわじわと影響を及す厄介な痛みですから、外来での診察の際には日常生活のちょっとした工夫やサポートグッズについてご説明しています。

たとえば、ドーナツ型クッションや低反発座布団などを使うことで、会陰部への圧迫を和らげることができます。また、椅子やベッドの高さを変えたりしても、体勢の負担を減らすことができるケースがあります。特に長時間座る必要のある方は1時間に1-2回は立ち上がったり、体勢を変えたりしてみることがおすすめです。

 

排尿時・排便時の痛み

Pain during urination or bowel movements

前立腺がんが進行すると、排尿時や排便時に痛みを伴うことがあります。

がんが神経を巻き込むと、排尿・排便のコントロールが難しくなるケースもあり、こうした症状はがん進行に伴う疼痛に加えて、尿路感染症による炎症からの疼痛や尿閉(膀胱に尿が大量に溜まること)で生じる疼痛であることもあります。
 

 尿路の炎症・閉塞による痛み  

 特徴 

  • 炎症による痛みは、鋭い刺すような痛みとして感じられることが多いです。

  • 感染症を伴う場合には発熱や出血を伴うこともあります。

前立腺がんが尿路(尿道や膀胱周辺)を圧迫すると、尿の通りが悪くなり、炎症を引き起こすことがあります。これにより、排尿時の痛み、頻尿、残尿感などの症状が現れます。

発熱や出血を伴う疼痛は要注意!

発熱や出血を伴う排尿時疼痛は抗生剤治療や尿道カテーテルの留置などが必要となる可能性が高いので、速やかにかかりつけの医療機関に連絡して、指示を仰ぐようにしましょう。

 医師 広重先生のお役立ちコメント

尿路感染症や前立腺からの出血を予防するためによく患者さんにご説明している内容として、以下のものがあります。

・唐辛子や香辛料、カフェインなどの刺激物を控える
香辛料に含まれるカプサイシンやコーヒー、エナジードリンクに含まれるカフェインは、膀胱・前立腺への刺激性が強く、疼痛増悪や出血の原因となる可能性があります。

・激しい運動・入浴を控える
運動や入浴などは骨盤内の血管拡張を引き起こすため、出血しやすくなります。疼痛がなくても血尿が続いている場合はシャワー浴などにしておきましょう。

 

前立腺がんの骨転移による
痛みと神経症状

Pain and neurological symptoms caused
 by bone metastases from prostate cancer

前立腺がんは、骨に転移しやすい特徴を持っています。

特に、腰椎(腰の骨)、胸椎(背中の骨)、骨盤、大腿骨といった体の中心部の骨に転移しやすく、これが痛みの主な原因となります。骨転移が起こると、骨がもろくなり、軽い動作でも痛みが出たり、骨折しやすくなったりします。

 骨転移による痛み 

 特徴 

  • 前立腺がんの骨転移による痛みは、腰、背中、骨盤、大腿骨に集中する傾向があります。

  • 体を支える重要な骨が多く、常に負担がかかる部位でもあるため、わずかな異常でも痛みが強く感じられます。

  • じっとしていてもズキズキする持続的な痛みで、体を動かすとさらに強くなります。

特に腰や骨盤は、日常動作の中心となる部分のため、痛みが慢性化すると、座る、立つ、歩くといった基本動作がつらくなることがあります。 

 骨転移による神経症状 

前立腺がんが骨に転移し、神経を圧迫すると、ただの痛みだけではなく、しびれや筋力低下といった神経症状が現れます。特に腰椎や骨盤の神経に影響すると、下半身の感覚異常や歩行障害が出やすくなります。

神経の圧迫による痛みは、鋭く刺すような痛みや、電気が走るような感覚で現れることが多く、単なる骨の痛みとは異なる特徴を持ちます。早期に主治医に相談することが、重症化を防ぎ、生活の質を守る鍵となります。 

下半身の麻痺・痺れを伴う疼痛は要注意!

下半身のマヒ・しびれを伴う疼痛は骨に転移したがんが脊髄を圧迫している可能性があります。この場合、急いで適切な治療(手術や放射線治療)を行わないとマヒやしびれが治らなくなるケースがあるので、速やかにかかりつけの医療機関に連絡して、指示を仰ぐようにしましょう

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前立腺がんの痛みへの対処法

医師 広重佑=監修
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