胃がん手術後の食事ガイド
胃がん手術後の食事トラブル対策【症状別】
ここでは前章でお話ししました胃がん手術後の代表的な食事トラブルに対する具体的な対策を解説していきます。
体重減少と栄養不足への対策
Measures to Address Weight Loss and Malnutrition
胃がんの手術後の体重減少は体力を奪い、生活の質を低下させる要因となるため、少量でも効率よくエネルギーを摂取する工夫が必要です。
オリーブオイルやごま油、バターを適量加える。加熱した野菜をマヨネーズで和える。はちみつやジャムをヨーグルトやパンに添える。アボカドを取り入れる。
豆腐や納豆、鶏ささみ、白身魚、卵、赤身肉を食事に取り入れる。
プロテインやミルクをスープに加える。
胃の手術後は一度に多くの食事を摂れないため、食事の回数を1日5~6回の小分けにすることで、一度に食べる負担を軽減できます。
例えば、朝食・昼食・夕食のほかに、間食としてプリンやチーズ、ヨーグルトなどを摂ると、無理なくカロリーとタンパク質を補えます。
さらに、食べやすい形に工夫することも大切です。例えば、具材を細かく刻んだスープやとろみをつけた料理は、飲み込みやすく消化にも優れています。
このように、食材の特長を意識し、工夫しながら、少しでも快適な食事の時間を過ごしましょう。
タンパク質
肉・魚・豆類など(→筋肉を作る食材)ビタミンB12
レバー・貝類・卵など(→血を作る補助をする食材)鉄分
赤身肉・ほうれん草など(→貧血を防ぐ食材)カルシウム
乳製品・小魚など(→骨の健康を維持する食材)

その他にも、高カロリー・高タンパクの飲料やゼリータイプの栄養食品、消化の良いプロテインパウダーなどが栄養補助食品として役立ちます。
ダンピング症候群の症状と対策
Symptoms and Management of Dumping Syndrome
ダンピング症候群は、胃を部分的または全摘出した後に起こる症候群で、食べたものが急速に小腸へ流れ込むことでさまざまな症状を引き起こします。
特に胃がんの手術後に発生しやすく、適切な食事と生活習慣の調整で症状を軽減することができます。食生活の工夫が症状緩和への鍵となります。
ダンピング症候群は食後30分以内におこる「早期ダンピング症候群」と食後2~3時間後におこる「後期ダンピング症候群」の2種類に分類されます。
少量ずつ、回数を増やして食べる(1日5~6回)
糖質の多い食品を食べる際は、1回量を今までの半分以下を目安に摂取する
(ジュースなどの加糖飲料、和菓子・洋菓子などの菓子類、果物)食事中・食直後の水分摂取を控え、食後30分以上あける
よく噛んで、ゆっくり食べる

食後すぐに横にならず、上半身を少し起こして休む
血糖値を安定させるため、食後の軽い運動を取り入れる
消化不良・腹部膨満感への対策
Remedies for Indigestion and Abdominal Bloating
胃がんの手術後、多くの人が消化不良や腹部膨満感を経験します。
ここでは消化不良・腹部膨満感症状を軽減する対処法をご紹介します。
Ⅰ. 少量ずつ回数を増やして食べる
胃の容量が小さくなるため、1回の食事量を減らし、1日5~6回に分けて食べることで、胃への負担を軽減できます。
Ⅱ. よく噛んでゆっくり食べる
消化を助けるために、一口ずつよく噛み、時間をかけて食べることが大切です。
Ⅲ. 消化の良い食品を選ぶ
白身魚、豆腐、柔らかく煮た野菜など、消化の良い食品を中心に選びましょう。反対に控えたい食品は、揚げ物・海藻・ナッツ類・イカ・タコ等です。脂肪分の多い食品や繊維質の多い野菜は消化に時間がかかるため、胃に負担をかけることがあります。
Ⅳ. 食事中の水分摂取を控える
食事中に大量の水分をとると、消化液が薄まり、消化不良を引き起こしやすくなります。また、胃から腸へ食物が流し出される形になり、ダンピング症状も起こりやすくなります。水分は食事の30分前後に摂るようにしましょう。
Ⅴ. 食後の過ごし方に注意する
食後すぐに横になると、胃の中の食べ物がスムーズに腸へ送られず、膨満感の原因になります。食後は上半身を少し起こして休憩するのが理想的です。
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胃がん手術後の食事のポイント【手術後の経過時期別】



