私の看取り体験談 ~ 看取った家族の物語り ~ Last Shirahama Trip and Sushi
Stories of each family
家族が語る「それぞれの最期」
コロナ禍の長いお別れ

コロナ禍の長いお別れ

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
久保田 典子 さん (女性)
47歳 自営業 秋田県
看取られた方
祖母
grandmother
享年 94歳
主な疾患 肺炎
闘病期間 0年 0ヶ月
最期を迎えた場所 病院

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

2021年夏、コロナのためその病院では面会が「2人」に制限されてました。


そのため、最期の瞬間は、長女である母と長男である叔父に看取られました。みんなで話し合いもせず、自然にその2人が向かうことになりました。


秋田に住むわたしは、すぐに危篤の祖母のもとへ駆けつけたかったのですが、叶いませんでした。


落ち着き始めていたのですが、まだ先の見えないコロナ禍のさなかでした。コロナでなければ、身内みんなで付き添ったでしょう。


祖母の経過は母からメールでしてもらっていましたが、メールだけだと何か絵空事のようにも感じられました。


正直、お葬式が開かれるまで実感が薄かったです。さすがに当時のコロナ禍では、なすすべがありませんでした。


三回忌の今でも、また祖母に出逢えるような願いと思いがあります。もうひとたび会いたいです。母の話では、母と叔父に見守られ、苦しまず、眠るような最期だったようです。


ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

明るく真面目で優しくてステキな祖母でした。


若い頃、戦前の台湾に家族で渡り、学校の先生をしていました。


戦後、台湾から引き揚げ、いとこだった祖父と結婚。東京の神田で、自転車屋さんからバイク屋さん、車屋さん、立体駐車場の管理をしている家業の事務で働いていました。


40代は民謡とスキー、50代は社交ダンス、60代は水泳とテニスなど体を動かすのが好きで、趣味にも真摯な姿勢でこつこつと努力をして、極めるタイプでした。


仕事のリタイア後は、祖父と車で日本各地を旅し、故郷の台湾を旅し、孫(筆者)とヨーロッパ周遊、船で世界一周をしていました。


お花が好きで、菊を育てていたこともありました。晩年は長生きで、ひ孫は5人も見ることができました。

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

50代の頃は太っていて、心臓に持病を抱えており、ニトロのカプセル(心臓の負担を軽減する薬)を常に持っていました。


しかし、社交ダンスを始めたことでダイエットに成功。心臓への負担も少なくなったようです。


それからはスキーでの骨折以外は大きな病気もせずに過ごしていました。晩年は、風邪やインフルエンザに罹りましたが、あとは健康的な生活でした。


介護保険を使って週に1回、マッサージを自宅で受けていました。そんな中風邪が悪化し、呼吸困難になり喉に穴をあけるくらいひどくなったようです。それから肺炎になり、永眠しました。

やってよかったこと What are you glad you did?

・デイサービスへ通ったこと。生活にめりはりができて、同年代の人を見たり、コミュニケーションがとれました。また、カラオケという新たな趣味ができました。


・定期的に祖母宅に訪問をして近況を聞いていたこと。


・車椅子で季節のお花を見たこと。


・お正月に長年住んでいた神田へ訪れたこと。


・デイサービスの催しの「介護付きで東京スカイツリーを観光」「お寿司を食べる」などのイベントに参加したこと。


・宅配のお弁当の注文をしてお弁当を中心とした食生活を送ったこと。(日中は1人なので火を使うのは危なかったため)

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

風邪に対してもっと危機感を持ち、ひきはじめに通院すれば良かったと思います。


そうすれば、肺炎みたいな重症化はなかったのではと、今も悔やんでいます。


訪問介護の方に通院の付き添いを頼んだり、介護タクシーで通院したりすれば良かったのではないかと思います。


風邪のはじめの段階で、訪問診療を受けさせれば良かったです。あんなに重症化するなら、結果論ですが遠方にいる身内の手を借りるという選択肢もありだったとも思います。


マスク、うがい、換気など、基本的な風邪の予防は万全だったのかと考えます。また、いろいろな人と接触するデイサービスを休めば良かったのかと悔やまれます。

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

一言で表すとすれば、コロナなんてなかったらいいのに。


です…面会に制約なんて、あまり聞いたことがないです。コロナがなかったらまた違ったかたちになっていたと思います。


当たり前のように、自由に面会できた日常が懐かしくなりました。

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

逢いたい時に会いに行ってあげてください。


疫病と面会制限は突然発生します。最期について、戒名やお葬式のスタイル、知らせる人、遺品をどうするかを本人の率直な思いや願いを聞き、願わくはみんなで話し合い、共有してください。


本人の行きたいところや食べたいもの、逢いたい人は、叶えてあげてください。 

旅立ったご本人へのメッセージ A message to the person who has departed

まだ、実感が湧かないよ、おばあちゃん。


また、逢いたかった。


たくさんの優しさや愛をありがとう。