私の看取り体験談 ~ 看取った家族の物語り ~ Last Shirahama Trip and Sushi
Stories of each family
家族が語る「それぞれの最期」
本音と建前

本音と建前

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
ごんごん さん (女性)
34歳 介護福祉士 和歌山県田辺市
看取られた方
認知症グループホーム入居者
Dementia group home resident
享年 87歳
主な疾患 心不全/うつ病/脳梗塞/口腔ガン
闘病期間 0年 1ヶ月
最期を迎えた場所 施設

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

島田さん(仮名)は宝石店を営んでいたそうで、自分の意思がハッキリした女性入居者でした。私が入社した頃から入居されていた大先輩だったのですが、最初の印象はとにかく怖い。周りの入居者や職員に対してとにかく厳しく、声を荒げることも多々ありました。真面目で頑固で気難しい方でした。


私のような若い職員に何かを言われること、他の入居者が私に何かを言われているところを見るのも嫌なようで、常にキツく当たられていました。私が作ったご飯は食べてくれなかったり、介助を無視されることも当たり前のようにありました。


他の入居者に私が声をかけているところを見ると不機嫌になり、「そんな子供の言うことなんか聞くな!」と怒鳴ることもあったため、正直仕事に自信をなくしていました。


そんな島田さんですがうつ病の持病もあり、時々殻に閉じこもってしまうこともありました。居室で1対1になりお話をすると、悩みや不安を涙ながらに訴えられることもありました。人前では気丈に振る舞っていても、いろいろな悩みを抱えているんだなとそのとき感じ、やはり私たち職員が支えなければと思いました。


島田さんは足が悪く、歩行器を使用していましたがお花を見たり景色を見ることが好きだったのでみなさんでよくドライブにでかけました。笑顔を見られるとこちらも嬉しい気持ちになれました。


後に口腔ガンが発覚し、飲み薬やうがい薬など処方されていましたが老化もあり次第に食事が摂れなくなっていき亡くなりました。


ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

島田さんは宝石店を営んでいたそうで、自分の意思がハッキリした女性入居者でした。私が入社した頃から入居されていた大先輩だったのですが、最初の印象はとにかく怖い。周りの入居者や職員に対してとにかく厳しく、声を荒げることも多々ありました。真面目で頑固で気難しい方でした。


私のような若い職員に何かを言われること、他の入居者が私に何かを言われているところを見るのも嫌なようで、常にキツく当たられていました。私が作ったご飯は食べてくれない、私の介助だと無視するということも当たり前のようにありました。


他の入居者に私が声をかけているところを見ると不機嫌になり、「そんな子供の言うことなんか聞くな!」と怒鳴ることもあったため、正直仕事に自信をなくしていました。


そんな島田さんですがうつ病の持病もあり、時々殻に閉じこもってしまうこともあります。居室で1対1でお話をすると、涙ながらに訴えられることもありました。人前では気丈に振る舞っていても、いろいろな悩みや不安を抱えているんだなとそのとき感じ、やはり私たち職員が支えなければと思いました。


島田さんは足が悪く、歩行器を使用していましたがお花を見たり景色を見ることが好きだったのでみなさんでよくドライブにでかけました。笑顔を見られるとこちらも嬉しい気持ちになれました。

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

口の中に違和感があるとのことで看護さんに診てもらうと口内炎のようなものがあるとのことでした。その後もなかなか良くならず、受診すると口腔ガンが発覚し、飲み薬やうがい薬など処方されていましたが老化もあり次第に食事が摂れなくなっていき亡くなりました。

やってよかったこと What are you glad you did?

気難しい方だったので周りの入居者からも「あの人、怖い」との声が聞かれ、集団で何かをすることは少なかったですが、お花を見ることや景色を見ることが好きなのでみなさんとドライブに行けたのはよかったです。そこではとても穏やかでみなさんと景色を見ながら会話も弾んでいました。


居室で1対1で会話をする時間を設けたこともよかったと思います。気丈に振る舞っていますが思うことは多々あるようで、1人になると考え込んでしまうみたいです。一度居室に行くとなかなか出て来れなくなるときもありました。そんなときは一緒に居室でお話しながらコーヒーを飲んだりしてゆっくりと過ごしました。


お客さん相手に仕事をしていた方なのでどうしても人前だと気が張ってしまうようで、1対1になることで本音が聞き出せて、会話を通じて島田さんの安心にも繋がったならよかったかなと思います。

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

入社したての頃はどうしても怒鳴っている島田さんに対して「どうしよう」「私が介助してもいいのだろうか」と戸惑いと距離がありました。もっと早く島田さんの心の奥に秘められた、悩みや辛さを感じ取っていればそんなことはなかったのかなと思います。


自分から積極的に関わる姿勢も大切だと思いました。あとは口腔ガンの発見が遅かったのかはわかりませんが、気になることがあったらすぐに受診することが大切だと思いました。

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

島田さんの性格的に周りの入居者とも距離ができてしまい、お互いに可哀想だったなと思いました。私が入社したときにすでにそうだったので、早くサポートしてその溝を埋められていたらよかったなと思いました。


口に出してることが全て本音とは限らないので、誤解のないよう職員がみなさんとの輪を取り持つことが何より大切だと思いました。共同生活は普通の人でも難しいのに、各々病気を抱えた人たちが周りを気遣って暮らすなんてすごいことです。もっと職員が頑張ってサポートするべきだと思いました。

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

家族の前で気丈に振る舞っている方でも、本音はわかりません。本当は弱っていく自分や知らない施設に取り残されたことに不安を感じて毎日を過ごしているのかもしれません。もしご家族が施設に入って面会に行った際に冷たい態度を取られたとしても、それがすべて本音だと捉えないでください。


例え「もう来なくていい」と言ったとしても、本当は会いたいのに「弱っていく姿を見られたくない」などの思いが隠されているかもしれません。言葉をそのまま受け止めるのではなく、汲み取るようにしてあげるといいと思います。職員に最近の様子を聞くのもいいと思います。家族にはなかなかいいにくいことを職員に話していることもあるので。


家族と職員間の連携も大切です。ご本人がより良い生活を送れるように、ご家族もサポートお願いします。

旅立ったご本人へのメッセージ A message to the person who has departed

島田さん、入社当初はたくさんのご迷惑をおかけしました。私自身も初めての職場で自信がなかったため、島田さんの厳しい言葉に戸惑ってしまいうまく接することができずにいたことを申し訳なく思います。


でも島田さんと居室で1対1で話したときに様々な思いを聞けたのがすごく印象的でした。島田さんはみんなのためを思って、自分がしっかりしなきゃと思ってくれていたんですよね。そんな優しい思いに気付かなくてごめんなさい。


それからは距離が縮まったような気がします。居室でお話しする機会を増やしてからは心なしか島田さんの表情も穏やかになった気がしました。いつも張り詰めた思いをさせてしまっていてごめんなさい。


グループホームがみなさんにとって気兼ねなく過ごせる場所であるよう、今後は島田さんから学んだことを活かして介護職員としてサポート頑張っていきたいと思います。


たくさんの学びをありがとうございました。