私の看取り体験談 ~ 看取った家族の物語り ~ Last Shirahama Trip and Sushi
Stories of each family
家族が語る「それぞれの最期」
愛されキャラで最期まで頑張って生き抜いた入居者さん

愛されキャラで最期まで頑張って生き抜いた入居者さん

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
ごんごん さん (女性)
34歳 介護福祉士 大分県
看取られた方
認知症グループホーム入居者
Dementia group home resident
享年 98歳
主な疾患 誤嚥性肺炎
闘病期間 0年 2ヶ月
最期を迎えた場所 施設

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

阿部(仮名)さんは若いころ、女学校で和裁をして過ごされていたそうです。とても穏やかで優しい性格の方で、物静かでしたが自分の意見はハッキリと言われる方でした。


高齢のため身体が弱く、他の方と一緒に激しく身体を動かすような余暇活動はできませんでしたがテレビを見たり本を読んだり書き物をして過ごされていました。


口数は少ないですが入浴はマンツーマンなのでわりとお話をしてくださいました。お湯の温度や身体を洗って欲しい部分、爪を切って欲しいなどしっかりと自分の希望を言われる方だなという印象でした。


ご家族が大好きで、特に旦那様ととても仲良しでお風呂では旦那様との思い出を話してくださいました。ゆっくりお湯に浸かりながら懐かしそうに話すのが印象的でした。


過活性膀胱、不眠症のため夜間も頻繁にトイレに起きてきます。普段は手引き歩行なのですが、職員がいるリビングまで1番近い居室だったため手すりに掴まって自分でリビングまで来られ「おしっこ」と訴えられ介助をすると言った感じでした。


あまり認知症を感じさせない方だったと思います。ご家族ととても仲が良く、旦那様、娘さん夫婦、お孫さん、ひ孫さんが面会に来られると喜んでおり、赤ちゃんを抱いている時には母の顔になっていました。


嚥下機能が低下されているため、食事は刻み食、とろみ食で、量もあまり食べられないので栄養剤などで補っていました。


ご自分でゆっくりと食事することはできますがむせ込むことも多いため、吸引機を常にそばにセットして職員全員が吸引をできるよう研修をしました。タッピングで治ることもありますが、やむを得ず吸引機を使用することも何度かありました。その時はチアノーゼが出ていて危なかったです。


むせ込む回数が増えたことと食事量の低下、高齢のため介助も増えることを見越して特別養護老人ホーム(特養)へ移ることになりました。私も時々会いに行きましたが、認知症の症状も進行は見られず、元気な顔が見られたので安心しました。


そんな日々が続きましたが、あるとき誤嚥性肺炎を起こし頑張っていましたが高齢のせいもあり亡くなってしまいました。


私の担当の方だったため、お葬式で旦那様とお嫁さんにとても感謝され「こんな素敵な家族に最期まで愛されて幸せな生涯だっただろうなぁ」と思いましたし、私も阿部さんやご家族に大変お世話になり多くのことを学び感謝の一言に尽きます。

ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

阿部さんは若いころ、女学校で和裁をして過ごされていたそうです。とても穏やかで優しい性格の方で、物静かでしたが自分の意見はハッキリと言われる方でした。高齢のため身体が弱く、他の方と一緒に激しく身体を動かすような余暇活動はできませんでしたがテレビを見たり本を読んだり書き物をして過ごされていました。


口数は少ないですが入浴はマンツーマンなのでわりとお話をしてくださいました。お湯の温度や身体を洗って欲しい部分、爪を切って欲しいなどしっかりと自分の希望を言われる方だなという印象でした。ご家族が大好きで、特に旦那様ととても仲良しでお風呂では旦那様との思い出を話してくださいました。


ゆっくりお湯に浸かりながら懐かしそうに話すのが印象的でした。ご家族ととても仲が良く、旦那様、息子さん夫婦、お孫さん、ひ孫さんも面会に来られ喜んでおり、赤ちゃんを抱いている時には母の顔になっていました。

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

嚥下機能が低下されていたため、食事は刻み食、とろみ食で、量もあまり食べられないので栄養剤などで補っていました。


ご自分でゆっくりと食事することはできましたが、むせ込むことも多かったため、吸引機を常にそばにセットして職員全員が吸引をできるよう研修をしました。


背中をたたくことで治ることもありますが、やむを得ず吸引機を使用することも何度かありました。その時はチアノーゼが出ていて危なかったです。むせ込む回数が増えたことと食事量の低下、高齢のため介助も増えることを見越して特養へ移ることになりました。


私も時々会いに行きましたが、認知症の症状も進行は見られず、元気な顔が見れたので安心しました。


そんな日々が続きましたが、あるとき誤嚥性肺炎を起こし頑張っていましたが高齢のせいもあり亡くなってしまいました。

やってよかったこと What are you glad you did?

とても穏やかで多くを語らない阿部さんでしたがご高齢で人生の大先輩ということもあり、当時20歳くらいの私を孫のように優しく可愛がってくださりたくさんのことを教えてくださいました。あまり認知症の症状は見られなかったので、ゆっくりと時間を取るとたくさんお話してくださいました。


ご家族も良い方たちで、新人の私にも優しく接してくださいました。最近の様子をご家族に伝えながら、ご家族も阿部さんと楽しい面会の時間を過ごせてよかったかなと思います。

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

周りの入居者の方に比べると、興奮や徘徊などもない方だったので職員が足りないときに少し関わりが薄くなってしまうときがあったなと反省しています。


ただ椅子に座っているだけや、居室で休んでいるだけではつまらない日々だったのでは?と申し訳なく思います。


今では介護職員でも痰吸引の講習がほとんど必須になりましたが、当時は研修とまでは行かずに個々で学んでいたため、中には実際に誤嚥してチアノーゼになる姿にびっくりしてすぐに対応できない職員もいました。


看護師がいないからこそ、介護職員が徹底して入居者が安全、快適に過ごせるようにしなければと思います。

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

阿部さんはとても背が低く小柄な方だったのですが、お風呂が一般浴(機械などを使わない入浴方法)だったため阿部さんには深過ぎて浴槽内に台を置きそこを階段のようにして中まで入り、浴槽内にも小さな椅子のようなものを置いて溺れないように対応していました。


ゆっくりであれば身体は動かせるのですが、もう少しいろんな方にあった介護用品を取り揃えて快適に入浴ができればよかったのではないかなと感じました。


食事のテーブルも阿部さんには高く、椅子にクッションを積み上げて背が高くなるようにして背中にもクッションを挟んで姿勢を保って食事をしていました。


個々に合わせた家具を揃えるのは難しいとは思いますが、ご家族と相談して身体に合ったものを揃えてもらうなどできればよかったかなと思います。

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

施設へ入居すると、ご家族と離れて知らない人との生活となります。寂しかったり、苦痛を感じているかもしれません。それでもご家族に会いたい気持ちは変わらずにあると思います。いつ何があるかわからないので、たくさん面会に行ってあげてください。


施設では死別された旦那様(奥様)の懐かしい話を語られる方が多いです。もし旦那様(奥様)がご存命であればぜひとも車を運転できるご家族が旦那様(奥様)を連れてきてあげてください。愛し合ったご夫婦です。本当に喜ばれます。


阿部さんの旦那様は耳が悪く会話もままならなかったのですが、阿部さんと過ごされるときはお互いにとても幸せそうな笑顔を見せていられました。


また、お孫さん、ひ孫さんも連れて来られるといい刺激になると思います。自分が大切に思われていると実感し、生きる希望になると思います。阿部さんも、生まれたての赤ちゃんに会ったときは「母の顔」をしていました。


高齢になるとどうしても嚥下機能が落ちてきます。刻み食、とろみ食など、本人の状態を見て無理なく食べてもらってください。阿部さんの主食はお粥でしたが、みなさんが炊き込みご飯のときなどは同じような味付けのお粥にして楽しんでもらっていました。ゼリーやプリン、アイスなど美味しく食べられるものを見つけて食事を楽しんでもらうといいと思います。


栄養剤でも今は様々な味があるので、薬局などで見るのもいいと思います。グループホームでは、その方にあった食事ペースで特に時間は決めずに無理なくゆっくり食べていただいたので比較的、誤嚥も少なかったのだと思います。


もしご自宅で介助される機会があるとしたら、時間を決めずにご本人が食べたいと思ったときにご本人のペースで食べれば誤嚥の原因も減らせると思います。結果的に誤嚥性肺炎を起こして亡くなってしまったのは残念ですが、最期まで口から摂取できたことはきっとよかったのだと思いたいです。

旅立ったご本人へのメッセージ A message to the person who has departed

初めての私の担当で、至らぬ点が多くあったかとは思いますが大変お世話になりました。


穏やかで多くを語らない阿部さんから言葉を引き出せたときの喜びは忘れられません。阿部さんはとてもご家族に愛されていましたよね。今まで阿部さんがご家族を精一杯愛していたから、その愛がこうやって返ってきているんだなと見ていて感じました。


また、ご家族は未熟な私にも愛を注いでくださりいつも優しい言葉をかけてくださり私の成長に繋がったかなと思います。感謝しています。


阿部さんが特養に移ったときはとても寂しかったですが、会いに行けて元気な顔が見られて良かったです。


葬儀にも顔を出させていただき、ご家族には最後までよくしてもらい涙が止まりませんでした。


最期にお見送りができて後悔はないです。阿部さんの担当になれてよかったです。お世話になりました。ありがとうございました。