私の看取り体験談 ~ 看取った家族の物語り ~ Last Shirahama Trip and Sushi
Stories of each family
家族が語る「それぞれの最期」
亡くなってしまえば後悔しかない。

亡くなってしまえば後悔しかない。

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
村田美靜 さん (女性)
54歳 会社員 青森県
看取られた方
father
享年 97歳
主な疾患 肺炎
闘病期間 0年 0ヶ月
最期を迎えた場所 病院

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

最期は、7年間入所していた老人ホームで、娘2人に見守られながら息を引き取りました。


コロナ禍で、なかなか面会ができなくて、もう、危ないと分かってやっと会う事が出来ました。部屋に行った時には、意識朦朧で息を引き取る寸前でしたが、いっぱい呼びかけて身体を摩ったり、話しかけたりしたら意識が戻って来ました。一生懸命に話しかけて、頑張って生きて欲しいと思いました。


その間に、水が飲みたいと…かすかに言葉にしました。ガーゼに水を湿らせて飲ませてあげました。少量の水分を一生懸命に啜っている父親を見て、かわいそうでたまりませんでした。少しするとまた昏睡状態に陥りました。


私も姉も泣きながら父に話しかけました。まだ逝かないで。もう少し一緒にいたいよ。と、そうすると、また、目を覚ましての繰り返しでした。ずっと手を握っていました。最後の力を振り絞るかの様に、力強く握り返して来ました。その時が最期の力だったんだと思いました。


3時間くらいが経ち、看護師さんがエンジェルセットを準備し始めました。それを見た時、あー、これで本当に最期なんだ…と感じたことを覚えています。


覚悟はしていたけど、悲しい時間がやって来ました。肩で呼吸をし始めて、口の中に泡が出て来ました。最期の合図でした。ちゃんと最期を見届けようと、最期の最後まで目に焼き付けました。肩呼吸が止まりました。一気に涙が込み上げて来て、涙が溢れ出て子供の様に泣きじゃくりました。


ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

 父は、物凄く義理堅く、誠実で、誰よりも優しい人でした。子供の為なら何でもしてくれました。自分が苦しくても、子供に苦労させない様にするひとでした。頭が良く、字は達筆で本当に自慢の父でした。この世の中で1番尊敬できる人でした。涙もろく、他人の為に涙を流す事が多々あり、その姿をたくさん見て来ました。本当に優しい人でした。

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

病気は、沢山ありました。心臓部も悪かったし、前立腺がんもありました。誤嚥肺炎で亡くなる3年前から入退院を何度も繰り返していました。その間、先生からは、いつ何が起きてもおかしくない状態です。と、覚悟しておく様に言われました。退院後は、腰骨の骨折や、大腿骨骨折など次々と怪我をして寝たきりになってしまいました。それから一年後、老衰になり最期は肺炎で亡くなりました。

やってよかったこと What are you glad you did?

コロナ禍で面会が出来ない時期だったので、直接会う事は出来なかったが、毎週父の好きなオレンジジュースをいっぱい買って届けました。食べたいものがあれば買って届けました。リンゴや食パン、唐揚げが大好きで、小さく一口大に切って届けました。窓から食べる様子が見れるので見ていたら、美味しい、美味しいと喜んでむしゃむしゃと食べていたのが印象的でした。食べたいものを食べさせられて良かったです。

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

できる事なら、コロナ禍で無かったら、実際に会って今までしてきたことをしてあげたかったです。


爪切りや、耳掃除、髪の毛の散髪など身の上の世話。沢山父の体に触っておきたかったです。


そして何よりもっともっと沢山の会話をしておきたかった。もっと父の若い時の話を聞いておきたかったです。


そして、父の要望を聞いて叶えてあげたかった…

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

父は、亡くなる2年くらい前から施設に不満があり、「出たい。」「他の所に移りたい。」と、言っていました。ですが、なかなか希望通りの施設が無く、施設を移す事が出来ませんでした。最期のあたりは、居心地が悪かっただろうな…と思うと可哀想でたまりません。もっと良い施設にいれてあげたかったと、悔いています。父に申し訳なく思っています。

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

とにかく後悔のない様に、何でも力の限り尽くしてあげる事です。亡くなってしまえば、後悔しか残りません。「あの時ああしてあげれば良かった」。「こうしてあげれば良かった。」本当に後悔のない様に、全力で看病してあげて欲しいと思います。少しのわがままも、嫌がらないで聞いて欲しいです。自分が疲れていても、大事な人に時間を惜しげもなく使って欲しいです。