私の看取り体験談 ~ 看取った家族の物語り ~ Last Shirahama Trip and Sushi
Stories of each family
家族が語る「それぞれの最期」
共に過ごす時間を大切にした看取り

共に過ごす時間を大切にした看取り

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
はな さん (女性)
31歳 会社員 東京都
看取られた方
祖母
grandmother
享年 80歳
主な疾患 胃がん
闘病期間 0年 1ヶ月
最期を迎えた場所 自宅

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

看取り期に入る前から、祖母とはよく会っていました。身体が弱っていくのを見て、とても寂しかったですが、祖母にたくさん会おうと、看取り期に入ってからも頻繁に会いに行きました。


祖母は満足のいく最期だったかはわかりませんが、みんなに見守られながら最期を迎えました。もう会えないのだと思うと、とても辛かったですが、祖母が元気なときから一緒に過ごす時間を大切にしてきたため、看取り後は感謝の気持ちでいっぱいでした。


ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

会ったときには私の体調を心配してくれ、好きなご飯を作ってくれる優しい祖母でした。また、仕事の話を聞いてくれ、「はななら大丈夫よ」「はなは優秀だから、自信もって頑張って」と勇気づける言葉をかけてくれていました。なかなか会えないときもメールで連絡をくれ、私や家族にいつも気を遣ってくれていました。


観葉植物が好きで、自宅にはたくさんの観葉植物を飾っていました。何種類もの観葉植物がありましたが、枯らすことなく丁寧に育てているようでした。

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

元々祖父母の二人暮らしでしたが、祖父が入院してからは、自宅で一人暮らしをしていました。


祖母は、胃がんが発覚してから、急激に体調が落ちていきました。食欲は落ち、ご飯が食べられなくなりました。外へ出かけるのは難しくなり、ベッドからトイレまで歩くのもやっとでした。トイレに行く最中に転倒し、そのまま動けなくなってしまったこともありました。


ベッド上での生活が主になり、私の母や叔母が交代で様子を見たり、訪問看護と訪問介護サービスを利用したりして、自宅で暮らしていきました。「お花が見たい」「脚が痛い」等、時々の症状や希望を訴えてくれたので、部屋にお花を飾ったり、脚をさすったりしてあげていました。


徐々に目を閉じている時間が長くなり、よく見えていないのか、人間違いをすることやつじつまの合わないことを言うこともありました。「氷が食べたい」とはよく言っていて、のどが渇いているようでした。小さい氷を口に含ませてあげたり、冷たい飲み物を少しずつあげたりしていました。次第に話すことが難しくなり、尿量は減り、タール便のようなものが見られ、呼吸も下顎呼吸へとうつっていき、息を引き取りました。

やってよかったこと What are you glad you did?

看取り期になってから何か特別なことをするのではなく、看取り期になる前から、祖母と会う時間をつくっていてよかったと思っています。


祖母が元気なときから、自宅に会いに行ったり、一緒に買い物に行ったり等の時間を過ごしてきたことで、看取り期に「もっとこうしていればよかった」「なんでこうしなかったんだろう」と思うことが少なかったように思います。


亡くなった時も「もう会えないんだ」と悲しい気持ちは当然ありましたが、「今までありがとう」と感謝の気持ちがとても大きかったです。


後悔しないためには、看取り期になってから急いで何か特別なことを始めるのではなく、看取り期になる前から、一緒に過ごす時間を大切にしたり、自分にできることをしておくことが大事なのではないかと感じています。

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

祖母が元気だったとき「旅行に行きたい」と言っていたことがありましたが、なかなか行くことができず、その夢は叶いませんでした。一緒に旅行に行けたらよかったと思ったのと、私よりも先が短い祖母の希望は、「いつか」ではなく、すぐに実行すればよかったと思いました。


また、看取り期に入ってからは、祖母のできなくなっていくことばかりに目を向けていました。例えば、食事ができなくなった、トイレに行けなくなったなど、これまでできていたことができなくなっていくことばかりに目を向け、家族の間でも「これができなくなったね」と話していました。


できないことばかりに目を向けられる本人は嫌だったと思うし、本人を囲む周りの雰囲気も暗くなっていたと思います。できないことに目を向けるのではなく、弱っていく中でもできることに目を向けていたらよかったと思いました。


さらに、看取り期に入ってからは、どのように最期を迎えるか、家族間で話し合っていました。そうではなく、どのように最期まで生きていくか考え、支えてあげた方が、最期まで祖母らしく過ごせたのではないかと思います。元気な時から、祖母とどのように生きたいか、話し合っておくことが大切でした。

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

元気なときから、どのように生きていきたいか、周りの人と考えることが大事だと思います。今の日本では、死の話をすることはタブー視されているように思いますが、最期まで自分らしく生きるためには、元気なときから考えていくことが大事なのではないかと思います。


もっと自由に話し合える社会になったらいいなと思います。

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

看取り期になってから何か特別なことを始めるのではなく、看取り期になる前から、自分にできることをしておくことで、看取り後の満足感が高まるのではないかと感じます。大切な人と一緒に過ごす時間を大切にできたらいいなと思います。