Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
~ありがとう、大好きなあなた~

~ありがとう、大好きなあなた~

Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
I .M さん (女性)
33歳 主婦 愛知県
看取られた方
mother
享年 60歳
主な疾患 若年性アルツハイマー
闘病期間 7年 0ヶ月
最期を迎えた場所 施設

どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか

若年性アルツハイマーを患っていた母は、施設に入所していました。


身体が硬直して全く動くことができないので、施設のベッドで寝たきりでした。筋肉は落ちてしまい、手足は痩せ細り、顔も痩せてシワとシミができて年齢よりかなり老けていました。


病気になる前の母は、美容にとても気をつけていた方で、シワもシミもほとんどなく、化粧をしていました。年齢の割に綺麗で、そしていつも笑顔でした。


週に一度は必ず家族で施設に顔を見せに行ってましたが、家族が来てもニコリと笑うこともなく、目も合うことがなく、無表情で、口をポカンと開け、天井を見続けていました。


また、自力で排泄ができないので尿道には管を通されており、噛むことも飲み込むことも出来ないので、胃に穴を開けて直接栄養を送り込む胃瘻処置もされていました。内臓の機能もだんだんと弱ってきていました。


元々心臓が弱かったので、入所施設からはいつか心臓の機能が低下すると言われていました。


施設に入所して約1年半が経とうとしていた頃、施設から電話が入りました。心臓の動きがかなり弱まっている、すぐ来てくれと言われました。家族で母がいる施設へと向かいました。


道中、覚悟が必要だと父に言われました。入院している母の病室に入ったら、母には酸素マスクがつけられおり、その隣にはよくドラマでもみるピッピッと心臓の音が鳴る機械も置いてありました。


素人でも分かるくらい、心臓の音が弱まっていて、今にも止まりそうな感じでした。医師からは今夜乗り切れるかどうか分からないと告げられました。


母の横に椅子を置いて、耳は聞こえているはずなので、家族で涙を流しながら思い出話をしました。昼前に着いていたのが、気が付いたら夕方になっていました。


急に母が小さく、弱々しい声で「うぅー」と唸りました。表情がとても苦しそうでした。きっと心臓が痛くてたまらないんだと思いました。


苦しげな母を見るのが辛くて、その場から離れたかったですが一番辛いのは母です。


どうしてあげることもできない中、父が母の手を握り、「もう頑張らなくていいよ。十分頑張った。ありがとう。ありがとう。」と父も涙を流しながら、母はその日の夜息を引き取りました。

ご本人はどんな方でしたか What kind of person was he

病気はどんな経過を辿りましたか How did the disease progress

やってよかったこと What are you glad you did?

もっとこうすればよかった Things I'm glad I did

もっとこうだったらいいのに I wish it was more like this

この先 家族を看取る方へ伝えたい事 What I would like to convey to those who will be caring for their families

旅立ったご本人へのメッセージ A message to the person who has departed