Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
後悔のない人生 ~亡き母と共に~
後悔のない人生 ~亡き母と共に~
Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
中井さちこ
さん
(女性)
看取られた方
母
mother
享年
70歳
主な疾患
胆管がん
闘病期間
2年
0ヶ月
最期を迎えた場所
病院
どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか
総合病院での治療が困難だと理解した母は自らホスピスへの転院を希望しました。
2ヶ月という短い時間でしたが1年分ぐらいの充実した時間を過ごすことができました。亡くなる2週間前から私は毎日24時間母と一緒に過ごしました。
母は幻覚を見るようになってきました。夜中に朝食を作るから冷蔵庫から玉子を出してほしいとか、韓国に旅行に来ているのでお土産は何にしようと選んでみたりとか。不思議でした。目を閉じているのに手振り素振りで説明をしていました。
数日後、徐々に幻覚もなくなり癌の痛みに苦しむ母を見て、もう楽にしてあげようと決断し、叔父叔母に相談して理解してもらい医師にモルヒネ治療をお願いしました。
治療を始めて一週間後、医院長が病室に来られ眠っている母の側で「よく頑張りましたね」と囁かれました。私は母が今日旅立つんだと直感しました。
すぐに私は弟に連絡をして今夜は病室に泊まるように言いました。親戚も夜中に呼びました。
バイタルが下がってきました。看護士から最期まで耳は聞こえていますよと言われて息を引き取るその時まで皆で声をかけました。そして医師が声をかけてくれた翌日の明け方に母は息を引き取りました。最後は皆にありがとうと言っているかのような大きな呼吸をして旅立ちました。