Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
亡くなってしまえば後悔しかない。
亡くなってしまえば後悔しかない。
Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
村田美靜
さん
(女性)
看取られた方
父
father
享年
97歳
主な疾患
肺炎
闘病期間
0年
0ヶ月
最期を迎えた場所
病院
どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか
最期は、7年間入所していた老人ホームで、娘2人に見守られながら息を引き取りました。
コロナ禍で、なかなか面会ができなくて、もう、危ないと分かってやっと会う事が出来ました。部屋に行った時には、意識朦朧で息を引き取る寸前でしたが、いっぱい呼びかけて身体を摩ったり、話しかけたりしたら意識が戻って来ました。一生懸命に話しかけて、頑張って生きて欲しいと思いました。
その間に、水が飲みたいと…かすかに言葉にしました。ガーゼに水を湿らせて飲ませてあげました。少量の水分を一生懸命に啜っている父親を見て、かわいそうでたまりませんでした。少しするとまた昏睡状態に陥りました。
私も姉も泣きながら父に話しかけました。まだ逝かないで。もう少し一緒にいたいよ。と、そうすると、また、目を覚ましての繰り返しでした。ずっと手を握っていました。最後の力を振り絞るかの様に、力強く握り返して来ました。その時が最期の力だったんだと思いました。
3時間くらいが経ち、看護師さんがエンジェルセットを準備し始めました。それを見た時、あー、これで本当に最期なんだ…と感じたことを覚えています。
覚悟はしていたけど、悲しい時間がやって来ました。肩で呼吸をし始めて、口の中に泡が出て来ました。最期の合図でした。ちゃんと最期を見届けようと、最期の最後まで目に焼き付けました。肩呼吸が止まりました。一気に涙が込み上げて来て、涙が溢れ出て子供の様に泣きじゃくりました。