Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
認知症の⽗の穏やかな看取り
認知症の⽗の穏やかな看取り
Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
さくら
さん
(女性)
看取られた方
実父
own father
享年
82歳
主な疾患
前⽴腺がん/認知症
闘病期間
10年
0ヶ月
最期を迎えた場所
⾼齢者施設
どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか
⺟は早くに亡くなっていましたので、私と姉の2 ⼈で⽗の看病や介護、看取りの対応をしました。私も姉も家族があり仕事もしていましたので、時々勤務を調整しながら役割を分担して乗り越えました。
⺟が亡くなってから⽗は⼀⼈暮らしをしていました。
70代前半、前⽴腺がんが発症し、積極的な治療はしないものの定期的に受診をし、内服治療は続けていました。その頃の⽗はまだ⾞の運転をしており、1⼈で⾃⽴した⽣活ができていました。そんな⽣活を5〜6年続けていましたが70代後半ごろに段々と⽗の物忘れやおかしな⾏動が⽬⽴つようになりました。認知症の発症でした。免許の返納をしたことをきっかけにさらに認知症が進⾏してしまったように思いますが、事故を起こす前に返納して良かったと今でも思っています。
認知症の進⾏に伴い、今までできていたことがうまく出来なくなることが増えてきました。⽇常⽣活に介助が必要になり介護サービスを受け始め、ディサービス、ショートステイを経て、施設⼊所となりました。
施設を探している頃、前⽴腺がんの進⾏が⾒られました。看取りを視野に⼊れた施設探しは選択肢が少なかったのですが、「寂しい思いはしてほしくない」という私たち姉妹の希望を理解していてくれていたケアマネージャーのおかげでアットホームな⼩さな施設に⼊居することができました。
明るいスタッフの⽅々や他の利⽤者さんとお喋りをしたりカラオケをしたりして施設での⽗は笑顔が多く⾒られホッとしました。亡くなる前⽇までトイレで排便し、ご飯も少しではありましたが⾃分で箸を持って⾷べていたのには驚きました。
⼈としての尊厳を最期まで保ってくれていた施設の⽅々には感謝しかありません。