Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
祖母の看取り
祖母の看取り
Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
ブラックリリー
さん
(女性)
看取られた方
祖母
grandmother
享年
75歳
主な疾患
肝臓がん
闘病期間
5年
0ヶ月
最期を迎えた場所
病院
どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか
亡くなったのは病院でした。意識も混濁していましたが、最期の瞬間はみんなで立ち合いました。苦しんでいる祖母に向かい、看護師さんが「楽になる強い点滴があります。だけどー」と言うまでは覚えていますが、あとの記憶が曖昧です。もう悲しくて、なんとも言えなくて。父と叔母がその点滴を選択しました。
祖母の呼吸が落ち着き眠ってるように見えました。深夜でしたので、叔母二人を残しわたしたちは、家路につきました。翌朝、叔母からの電話で祖母の死を知りました。最期は苦しまず、眠ったように逝きました。
亡くなる前の一週間は、本人のたっての希望で、自宅で過ごしました。「病院は嫌だよ。家に帰りたい」という願いをくみ、在宅医療で、家で過ごしました。穏やかに、自分の部屋で、自分のお気に入りのベッドで眠っていました。
大好きなサスペンスドラマや時代劇の音が流れる中で、入れ替わり立ち替わり子供や孫達が祖母の横に座っていたり、隣の部屋でおしゃべりしていました。なかなかそれぞれが大人になり、お正月でも皆が集まることの難しくなっていたので、つい昔話に花が咲きます。
父が祖母の好きな「うさぎのダンス」という童謡を歌います。皆んなで、昔のようにお蕎麦屋さんに出前を取り食事をしながら、話します。隣の部屋の祖母に届いたでしょうか。音楽のように、わたしたちの声が聞こえていたなら幸いです。
病室に帰った最期の日より、この一週間がわたしたちにとっての、看取りの日々でした。