Stories of each family
~ 家族が語る 最期の物語り ~
中学生で父親を亡くす
中学生で父親を亡くす
Last Shirahama Trip and Sushi
看取った方
看取り体験者 (女性)
さい
さん
(女性)
看取られた方
親子
parent and child
享年
55歳
主な疾患
食道がん
闘病期間
1年
0ヶ月
最期を迎えた場所
病院 病院で最期を迎えた方
どんな看取りだったかお聞かせ頂けないでしょうか
中学2年生の冬休みでした。当時、毎年恒例でお泊まりクリスマスパーティーを友達宅で行っていました。
その年ももちろん開催。私は荷物を準備し、自宅を出ようとしたときに、ふと、何かを感じました。クリスマスパーティーではなく、父の病院へ行こう。父の病院に行かなければいけない、と。
持っていた荷物を置き、そのままひとり、母が先に行っている病院へと向かいました。昼過ぎだったでしょうか。
病院について父の姿を見ると、なんとか私が来たことは認識しているようでしたが、酸素マスクでたいして会話もできず、そばにいることしかできませんでした。
夜になり、母は私に「先に帰って」と言いましたが、私は「このままいる」と言って、一緒に残りました。なんとなくざわついている病室内。
何度も看護師さんが来たり、最後に吊るされた点滴が小さくなったとき、ああ、もうすぐなのかなと感じました。
夜中近くになり、病室内はもっとドタバタし始め、母は泣いている。こういうの、ドラマで見たことあるなと冷静に思っていたことを思い出します。そして父は息を引きとりました。
人間が死ぬ瞬間を初めて見たときの感覚は今でも忘れられません。そして、外を見ると大きな満月が出ていたことが印象にのこっています。