看取りに 大切な3つのこと
Three important thing
家族がおさえる
大切な3つの看取りポイント
Three important points for families to keep in mind
Point 1
本人の希望を知る
まずは一番に、主役である本人の意思や希望を確認しましょう。
本人の言葉で意思確認をすることは、家族、そしてサポートする専門職が共通の目標に向かって進むことにとても有効です。
本人の希望
・本人の「したい」に関すること
Matters related to the person's "want to do
部屋ではどのように過ごしたいか
行きたい場所、やりたいことはあるか
やり残したことはないか
本人の希望
・医療処置 に関すること
Medical procedures requested
呼吸状態が悪くなったときに人工呼吸器を装着するか
食べられなくなったときに胃ろうまたは点滴を望むか
腎機能が悪くなったときに人工透析を行うか
痛みが強くなったときに点滴での痛み止めの投与を希望するか
本人の希望
・過ごす場所 に関すること
About where to spend your time
最期のその時まで自宅で過ごしたいか
症状の悪化や検査が必要な場合などは一時的に入院してもよいか
家族の介護負担が増えた場合、施設への入所も検討して良いか
上記の項目をすべて聞かなくてはいけない、ということはありません。
聞けることから一つずつ、尋ねてみると良いかと思います。
可能なら医療処置を望むのかどうかも、本人の言葉で確認しておくことをオススメします。
医療処置と言っても幅広いのですが、最低限「延命処置を望むかどうか」は確認しておくと良いでしょう。
また、自宅に帰ってからも、体調の変化によっては在宅療養が難しくなる場合があります。
「どんな状態でも家に居たいのか」「入院も考えているか」など、状況ごとに掘り下げて話ができそうなら、本人へ聞いておくのも一つの方法です。
ただ病状によっては、本人から言語での意思確認ができない場合もあります。
その場合は、
自宅でどのように過ごしたいか
行きたい場所、やりたいことはあるか
そんな暮らしの視点から、家族間で話し合うのも良いと思います。
家族で話をしていくうちに、限られた家族の人には本人が希望を話していた、という場合もあります。
まずは「本人の希望を知る」そのことが、本人らしく最期を過ごすための大きなヒントです。
Point 2
「本人の希望はなんとなく分かった。だけど、これって実現可能なの?」と、疑問がわいたり、不安になったりするかと思います。
その不安を軽減するために、ぜひ積極的に専門家の力を借りて頂きたいなと思います。
専門家とは、
入院中
医師
看護師
地域連携室のソーシャルワーカー
相談員 etc.
在宅
在宅医
訪問看護師
ケアマネージャー etc.
本人あるいは家族だけで対応しなければいけない、と負担に思う必要はありません。
そのために専門家が世の中に居るのですから、ぜひ力をかりてください。
相談するタイミングは、本人や家族の希望がハッキリしない時でも大丈夫です。
専門家は、現状から分かること、そして未来に予測されることを踏まえて、さまざまな提案をしてくれます。
本人や家族、専門家のみんなで意見を出し合うことで、より良い最期にするための方法がきっと見つかるはずです。
専門家は、穏やかな最期を迎えるためのサポーターであり、チームの一員です。
チームメンバーとして、専門家の力を上手に借りて頂きたいなと思います。
Point 3
病状の変化には「ぜったい」はありません。
ですが、現在のからだの様子から予測できる、起こってくるであろう症状や予後(今後の見通し)の目安はあります。
そのため医師や看護師から、今後予測される経過を聞いておくと良いと思います。
もし食べれなくなったら?胃ろうや点滴が必要?
痛みが出てきて薬が飲めなくなったら、痛み止めの点滴が必要?
痛くて辛そうなら入院した方がいい?
寝たきりになって介護の負担が強くなったら施設に入ったほうがいい?
もし食べれなくなったら?胃ろうや点滴が必要?
痛みが出てきて薬が飲めなくなったら、痛み止めの点滴が必要?
痛くて辛そうなら入院した方がいい?
寝たきりになって介護の負担が強くなったら施設に入ったほうがいい?
「本人の希望を叶えたいけど、これからどんな身体の変化が起こるの?」
「最期まで自宅で過ごすって可能なの?」
そんな、まだ見えない未来へ不安を感じることもあるはずです。
事前に経過を聞き、イメージを描くことで、実際に起きたときに慌てたり混乱することが少なくなります。
始めから全てを予測したり、完璧に準備をする必要はまったくありません。
からだの状況は日々、変わることが当たり前です。
状況に応じて、その都度、専門家と相談し、今後について決めていくことが大切です。
看護師 佐藤 礼
訪問看護歴11年。持ち前の明るさと優しさで多くの方々の最期を支えてきたスペシャリスト。